開発VAにおける目標コストの設定とその管理

論文

新製品開発に当っては,①性能,②開発期間,③コストの3つを管理する必要がある。しかし,現実には他社との競争上,新製品を早く市場に出すことが要求されるため,性能,納期が優先され,コストについては多少の不満があっても,そのまま出荷されることが,往々にしてある。

ところが,コストは開発,設計段階で"その大部分"が決定されてしまうので,利益機種を開発しようと思えば,その時点でVAを適用し,徹底したコスト管理を実施することが重要である。開発VAを展開するに当っては,機能展開の方法,機能評価法,アイデア発想法など,各種の技法上の問題があるが,それにも増して重要なことは,各メンバーがプロジェクトに対して,どれ程真剣に取り組む気持を持つかである。その大きな要因の1つに「目標コストの決め方」がある。

本稿では,目標設定の仕方と,その管理について,以下の項目に従って述べてみたい。

(1) 製品の目標コストの合理的な設定方法

(2) 目標コストの配分方法(機能コスト配分と個人別目標配分との融合)

(3) 目標コストの管理体制

なお,本稿における新製品開発とは,今まで世の中になかった製品を開発するという意味ではなく,従来の機種系列の1つとして開発するとか,コストダウンを狙ったモデル・チェンジとして新製品を開発するという意味で使用している。

目次

  • 1. はじめに
  • 2. 製品の目標コストの合理的な設定方法
  • 2.1 市場価格から製造原価を逆算する
  • 2.2 市場価格の低下分を予測して目標に織込む
  • 3. 目標コストの配分
  • 3.1 目標コストの機能別配分
  • 3.2 チーム目標から個人目標への配分
  • 4. 目標コストの管理体制
  • 5. まとめ

発行年

1978年 VE研究論文集 Vol.9

著者

三菱電機株式会社
計算機製作所 製造管理部 VAセンター
大野勲

カテゴリー

  • 開発設計とVE

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