価値評価による機能別コスト目標の求め方

論文

VEがわが国に導入されて以来,各企業において着実な成果を上げ,個別活動から企業経営方針に基づいた組織的な活動へと発展してきた。また,VE対象範囲においては購入部品のコストダウンを狙ったVE活動から,既製品を対象にした2nd Look VE,商品の構想決定時に実施する1st Look VE,商品企画時に実施する"0" Look VEへと,商品が生れる源へとさか上ったVE活動が積極的に展開されるようになってきた。更には,ハードウェア中心からソフトウェアの分野へと,ますますVEの適用範囲が拡大しつつある。

一方,具体的問題解決においては幅広い関係部門の人々で構成し,その人々の最大能力を発揮するのに適したVEチーム活動を実施して大きな成果を上げている。しかし,対象分野が広くなると共に関係部門から集った人々によるVEチーム活動を,常に成功に導くためには,チームメンバー全員に必ず目標は達成しなければならないという"使命感"を持たせることが非常に重要なことである。

本稿は,価値ある商品づくり(ハード面)をするために,顧客ニーズとメーカーのコストを考えた価値係数を用いることによって,目標の適切なブレークダウンとVEチームのやる気,目標達成への使命感をおこさせる機能別コスト目標の求め方とその展開について,過去研究してきたことを紹介する。この進め方を開発するに当って,最も留意したことは,実践において確実に展開できるようにすることであった。

目次

  • 1. はじめに
  • 2. VEチーム活動とコスト目標
  • 2-1 コスト目標の重要性
  • 2-2 各種コスト目標設定法と問題点
  • 3. 価値評価法によるコスト目標設定の展開
  • 3-1 顧客ニーズの把握
  • 3-2 顧客ニーズ分析と企画立案
  • 3-3 FASTダイヤグラムの作成
  • 3-4 適正価値評価
  • 4. 価値補正係数の算出
  • 4-1 Vi表の作成
  • 4-2 価値補正係数の基本的考え方
  • 4-3 価値補正係数aの求め方
  • 5. 顧客ニーズを取入れた目標設定の重要性
  • 6. おわりに

発行年

1977年 VE研究論文集 Vol.8

著者

日本ビクター株式会社
技術推進本部 品質管理部
柴田哲郎

カテゴリー

  • VEテクニック

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