論文
もはや高度成長経済は過去の甘美な夢と化した。
低成長経済を大前提として,企業活動の健全な発展を期して行かねばならい現在,この点での努力と成果が,企業間格差を大きく広げて行くであろうことは,容易に想像がつく。当然,VEに対する要請も過酷なものとなり,より効果の上る手法の登場が期待されている。
当事業部においては,昭和48年頃より本格的なVE活動の実用化段階に入り,第1図に示すように着実な成果をあげて来たが,われわれは49年初頭までを"VEを実施する環境と手法の確立"を成した『第1次活動期』と呼び,以後VE活動は新たな段階である『第2次活動期』に突入したと考えている。この段階では,先に確立した手法と環境をベースに,さらに過酷なVE要請に力強く答えるべく『ワースト指数』という概念を導入したVE活動によって,飛躍的なコスト力の向上を計り,着実に成果を上げつつある。
本論文では,この『ワースト指数』を中心としたVE活動について,当事業部の実例を交えながら,述べてみたい。なお,本論文では図表等を意欲的に取り入れているので,内容把握の一助としていただければ幸に思う。
目次
- 1. はじめに
- 2. 『ワースト指数』の位置づけ
- (1) 10%の原価低減は売上倍増に匹敵
- (2) より過酷な要請下でのVE活動
- (3) 不採算機種にこそ必要なVE改善
- 3. ワースト指数によるVE活動の骨子
- (1) ワースト指数の概念
- (2) 具体的な分析手法と展開方法
- 4. ワースト指数を中心としたVEの実施例
- (1) ワースト指数による目標の設定
- (2) VE活動の展開
- (3) VE成果の把握
- (4) 新たなる目標の設定
- 5. おわりに
発行年
1976年 VE研究論文集 Vol.7著者
- 日本ビクター株式会社
音響機器事業部技術部 - 星野修一
- 日本ビクター株式会社
音響機器事業部技術部 - 浅見憲一
カテゴリー
- マネジメントとVE
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