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VEによる標準化の進め方
VEによる標準化の進め方
ステレオ業界は,ポスト・カラーの掛け声に競争が一段と激しくなり,ことある度に,企業内合理化が叫ばれて,VE,標準化等の合理化手法が口にされてから久しい。しかし,実情は,なかなか,これ等の手法の日常化に至らず,それには幾つかの理由が考えられよう。その代表的なものを挙げると,
(1) ステレオ商品は趣味嗜好の多様化商品である
(2) 技術の進歩が早く安定期がとらえにくい
等であろう。ところが,近年生活水準の向上に伴い,商品に対する要求は,ますます多様化し,企業間の新商品企画競争の激化は,商品のライフサイクルを極端に圧縮してきた。その結果は,部品点数の急増と,部品のライフサイクルの短縮化となって,大量一括発注によるコストメリットを無くし,部品在庫の増加と共に,企業体質の弱体化の原因のひとつにもなりかねない。これを決定的にしたのが,オイルショックによる材料費の高騰である。業界内の販売合戦とコスト競争に対処して,当ステレオ事業部も,企業体質強化の長期戦略の一環として,従来のVE,標準化活動をより強化し,展開させることになった。今回の標準化の推進は,商品設計及び生産技術面を中心として実施され,初めてVE手法を適用した柔軟で機動性に富む標準化が試みられて,ようやく第1次目標を達成することができた。本論文では,このVE手法による標準化の実施例を紹介し,実施法の1方法として論じてみたい。