論文
われわれは,現場すなわち第1線作業所でVEを実践することを目標としてきた。
建設業の作業所は地域的に分散していてしかも移動性があり,そこで行われる業務上の判断は迅速性が要求されるので,進行管理あるいは日常決定の大部分は組織効率上母店でなされることは少なく,作業所自身にゆだねられている。人的配置も社員の80%は現場配属であり,企業の特徴は人中心主義であり,現場中心思考である。したがってVE活動においてはとくに第1線作業所で,きめのこまかい展開をする必要がある。
この観点から,どこででも,短時間ででき,しかも,BESTよりBETTERをねらうという主旨のもとに開発された「3時間VE」については既に発表したところである。あわせて,現在全社員のおよそ80%がVE基礎教育(FVEスライドと実習を中心とした2日間のFVE実践コース)を受けて,VEの考え方を理解しているので,現場で行なうVE活動は概ねスムーズにいっている。
今回は,過去2年間にわたって実際に現場で実施した3時間VEをフォローし,実践面でのテクニックとその問題点について細部にわたって検討を加えた。その結果とくに前回の論文では触れていなかったVE対象の選定方法,3時間VE会議の諸問題,VE会議後施工を完了するまでの手順を中心に,われわれが実際に推進してきた方法を体系化し報告するものである。
目次
- 1. はじめに
- 2. 建設現場の特性
- 3. VE対象の選定
- 4. VE会議
- 5. 実践
- 6. 成果のフィードバック
- 7. おわりに
発行年
1974年 VE研究論文集 Vol.5著者
- フジタ工業株式会社
建築統括部 VE課 - 岩崎武俊
- フジタ工業株式会社
建築統括部 VE課 - 小田勤
- フジタ工業株式会社
建築統括部 VE課 - 横沢勝弥
カテゴリー
- VEの適用局面
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