論文
市場競争がますます緊迫すると共に,材料費・人件費等の高騰が続く現在,価値ある技術商品を開発するために,設計部門においては,今までにない創造的な設計が要求されている。それは,非常に優れた技術的なものから,使用材料を少なくしたり,生産性・サービス性の向上を狙った,ちょっとした工夫等諸々である。
そのため,設計部門においては,日々,ユニークな,優れたアイデアの必要性が叫ばれ,グループによるアイデア会議や個人的なアイデア発想が行なわれている。
しかし,そういった形で出されたアイデアの多くは,目的とする所を充分に達成しているであろうか。また,創造的な設計をするためのアイデア発想技法は,ブレーンストーミング法・NM法・KJ法等を中心に約40前後あると言われているが,日常の設計活動の中において充分に理解され,効果的に活用されているであろうか。
どちらにしても,現在の厳しい社会情勢の下で要求されることは,実際に役立つ,効果的なアイデアを,いかに確実に,早く,多く出すかということである。
そのためには,過去の技術蓄積の全てをもっている設計者の経験・知識・知恵を,いかに有効に引出すかが,重要なことである。
そこで,この論文においてはいかにして,設計者の経験・知識・知恵といったものを有効に引出すか。そして,それを真に価値ある技術商品の開発に結びつけるかを,アイデア構造図を中心とした,創造的設計の考え方と,その進め方について,過去,研究してきたことを紹介する。なお,この論文中の実例は,当社で製造・販売している,オープンリールテープデッキに応用,活用した事例である。
目次
- 1. はじめに
- 2. テーマの狙いと背景
- 3. 創造的設計とその手法
- 3.1 創造的設計の基本的な考え方
- 3.2 アイデア構造図による創造的設計の進め方
- 4. アイデアの評価について
- 5. アイデアの蓄積について
- 6. まとめ
発行年
1974年 VE研究論文集 Vol.5著者
- 日本ビクタ一株式会社
技術本部 技術管理部 - 柴田哲郎
カテゴリー
- VEテクニック
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