論文
VEが日本に導入された当初は,資材費のコスト低減を狙った購買部門の技法として,各企業に広まったが,その後,企業間競争はますます激化し,より大幅なコスト低減を図るため,製品のライフサイクルの上流での適用,つまり,設計段階のVEを進めていく必要に迫まられてきた。そのため,各社ともVE担当部門を,購買部門より技術部門へと移行して,積極的にVEを展開してきた。しかし,われわれVErは,その必要性,効果を充分に認めながらも,実際の場においての効果的な展開方法とか,成果測定の困難性等の諸々の問題をかかえている。
そこで,この論文においては,設計段階のVEを効果的に進め,また製品の価値を確実に保証できるようにするため,機能テーブルを中心とした設計段階のVE手法と,その進め方について,過去1年間研究してきたことを紹介する。この進め方を開発するに当って,最も留意した事は,実際の場において,だれでもが簡単に,迅速に,確実に展開できるようにすることであった。なお,この論文中の実例は,当社の録音機事業部で取りあげた例である。(録音機事業部はテープレコーダ一等の録音再生機器を製造している部門である。)
目次
- 1. はじめに
- 2. テーマの背景と狙い
- 3. 設計段階のVEとその手法
- 3・1 設計段階のVEの基本的考え方
- 3・2 現在の設計段階のVEの進め方
- 3・3 機能テーブルについて
- 3・4 機能テーブルを中心とした設計段階のVE手法
- 3・5 成果測定の方法
- 4. 設計段階のVEの進め方
- 4・1 機能テーブルの実際の利用
- 4・2 全社的機能テーブルについて
- 5. まとめ
発行年
1971年 VE研究論文集 Vol.2著者
- 日本ビクタ一株式会社
録音事業部 技術部 - 塩谷弘道
- 日本ビクタ一株式会社
技術本部 技術管理部 - 戸田正道
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