論文
VEは,日本に紹介されて以来,多くの研究と絶え間ない実践活動の結果,大きく成長し,発展を続けてきました。ところが,VE自体の理論及び実践面での進展に相反し,創始者マイルズ氏の主張された「業者の知識を有効に活用し,その努力に報いる」という,いわゆる報奨制度に関しては,充分な研究がなされてきたとは,いえないのではないだろうかと考えるのであります。
当社では,VA(量産段階の価値分析)からVE(設計・試作段階の価値分析)への重点移行方針に基づき,VEの組織的な推進を図って参りましたが,その進展拡大に伴ない,旧来のVA重点であった時代の報奨制度では,VEの進展を阻害するとの判断から,昭和45年秋に,改訂を実施いたしました。
こうした状況からVE報奨制度は,会社方針などから独立して考えるべきものではないと思いますが,この小論では,仕入先からのVE提案に対する報奨制度に的を絞って,当社の適用事例から,VE報奨制度の今後のあり方について考察してみたいと思います。
目次
- はじめに
- 第1章 報奨制度の重要性
- 第1節 日本における報奨制度の現状
- 第2節 報奨制度の重要性
- 第2章 当社における報奨制度の変遷
- 第1節 当社の原価管理体制
- 第2節 VAの導入とVA報奨制度
- 第3節 VA重点からVE重点への転換
- 第4節 VE体制の確立とVE報奨制度
- 第3章 VE報奨制度の今後のあり方
- 第1節 当社VE報奨制度の問題点
- 第2節 今後のVE活動の方向
- 第3節 VE報奨制度の今後のあり方
- おわりに
発行年
1971年 VE研究論文集 Vol.2著者
- トヨタ自動車工業株式会社
購買管理部 - 松本久男
- トヨタ自動車工業株式会社
購買管理部 - 土屋隆弘
カテゴリー
- VE導入と定着化
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