論文
市場における国際的な企業間競争の激化,技術革新の飛躍的な進展,労働力不足など,今日,企業における最大の課題は,情勢に対応して,リーダシップがとれるように,企業体質を改革強化しておくことが重要である。
すなわち,企業の永続的発展のためには,新製品の開発を中心に生産性の向上,コストダウンおよび安定し,かつ,より適切な製品品質による利益の確保が,絶対的条件であり,そのために激しい企業間競争の背景のもとにあって,日々革新の連続が成されなければならない。
とくに開発に結びつく機能アップとコストダウンの問題については,企業規模が拡大すればする程,単なる一部門の活動のみならず,企業内全機能,全部門が機能に対する革新的な考え方をもった一元性のもとに,トータルコストとしての低減をねらいに,より機能向上された製品を,ユーザに供給してゆくことが重要である。
このような考え方にたって,昭和41年度より,従来資材・購買部門中心に取組まれてきたVE活動を,QC,IEとともに事業本部の管理技術の3本柱として,新たな設計中心のVEの導入普及をはかり,今日までVE教育を中心に,そのフォローアップを実践活動に結びつける方式をもって展開し,人材の育成と成果への貢献をはかってきた。
本報告は,こうした活動経過を基礎に,更に1歩,VE活動の着実な普及をはかるために,VE活動を経営に有効な武器としてIE,QCとの融合の下に,広く総合的に経営活動における価値向上のためのプログラムとして,そのトータルシステムを確立,適用,実効をあげることの必要性から,当事業本部管理技術計画重点プロゼクトとして,昨年より,当本部VE専門研究会(能大VEワークショップを終了し社内講師VEプロゼクトメンバーとして経験の深い者7名で構成)を軸に,事業部技術部門との連携の下に,経営活動の一元化を指向したVE手順の研究,適用,試行を行ない,その効果について確認がはかれたので,ここにまとめ,ご指導をお願いする次第である。
目次
- 1. はじめに
- 2. VEアプローチ手順化研究の背景とねらい
- 2.1 背景
- 2.2 ねらい
- 3. VEアプローチ13手順への展開化研究
- 3.1 VEアプローチ13手順の開発
- 3.2 13手順の具体化研究
- (1) 問題点の解析・テーマ・目標設定段階の研究
- (2) 推進組織編成段階の研究
- (3) 機能分析・評価段階の研究
- 4. 適用と今後の課題
発行年
1970年 VE研究論文集 Vol.1著者
- 松下電器産業(株)
回路部品事業本部 VE専門研究会 - 山田彰一
カテゴリー
- VEテクニック
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