論文
生産には大別して,生産の基本ラインである直接作業と,それに付随する間接作業(すなわち管理業務〉とがある。本来,直接作業と間接作業の比は,直接作業の占める割合が多い程望ましい。しかし,多機種少量生産体制下では,技術部門では,純設計活動以外の多くの雑業務,機種毎のぼう大な設計資料の管理等の作業がある。また,そのために,同一機能品の二重設計や,同じ失敗のくり返しを生じやすい。発注部門では,伝票量の増加に伴なう発注工数の増大,工程管理部門では,管理オーダーの増加に伴なう管理漏れ等を生じやすい。
生産性の観点から見れば,密度の低いこれらの業務が,生産原価に占める間接作業費の割合を多くしている。
われわれは,生産ラインでの業務及び,それに付随する各種管理業務の機能分析を行ない,これらを最も少い労力で,最も能率的に行なうために,問題点を把握し,それぞれに対して,きめの細かい改善を施し,業務の合理化を実施しつつある。そのいくつかを紹介して,識者のご批判を仰ぎたい。
なお,このVE的合理化計画は,現在,まだ進展の途上にあり,完成したものではないので,併せて今後の方向についても言及させていただきたい。
目次
- 1. はじめに
- 2. 各分野における作業改善
- 2.1 各種設計資料の全社的集中管理
- 2.2 設計および生産ラインの作業改善
- 3. 今後の計画
- 4. 結び
発行年
1970年 VE研究論文集 Vol.1著者
- 日本電気(株)
放送機事業部生産技術部 - 吉川慎造
- 日本電気(株)
放送機事業部生産技術部 - 小林康午郎
カテゴリー
- マネジメントとVE
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