論文
従来の現場作業の改善は、現場主体の小集団チームにて実施されており、それに活用される手法としては、IE やQC が主体的に用いられてきた。そしてこの活動は、確実に成果をあげてきた。しかしながら近年の少子化による現場作業者の減少とICT の急速な進歩により現場作業の改善方法の変革が必要となってきている。筆者らは、現場作業の改善を組織的知識創造のSECI モデルの概念にしたがって実施することを推進している。これは現場作業の情報を形式知の情報に変換してデータベースを構築し、その情報を活用して組織的な改善を実施する。次に改善した情報を現場に提供し、現場を含めた組織全体で情報を共有化する活動である。筆者らは、この情報を活用して組織的な改善を実施するひとつの手法としてFAST とTRIZ を組み合わせる手順を考案した。まずFAST ダイヤグラムにより現場作業の問題点を可視化する。そして継続的改善の方法としてTRIZ の「技術矛盾と発明原理」を活用する。一方、革新的改善の方法としてTRIZ の「技術進化のトレンド」を活用する。本実践論文では、この手法を論じ、この手法を用いて実際の大型ガスタービンの部品加工の改善案を創出した実践事例を報告する。
目次
- 背景
- SECI モデルの概念を適用した現場作業の改善
- FAST ダイヤグラムとTRIZ を組み合わせた組織的改善方法
- 実践事例
4.1 作業プロセス情報の作成
4.2 FAST ダイヤグラムの作成
4.3 ABC 分析による機能評価
4.4 改善の種類によるTRIZ 技法の選択 - 考察
- 結論
発行年
2021年 VE研究論文集 Vol.52著者
- 三菱重工業株式会社
高砂IT グループ
上席主任 VES - 吉田尚史
- 三菱重工業株式会社
高砂生産設計部
主幹技師 CVS - 赤城弘一
- 三菱重工業株式会社
高砂生産設計部
主席技師 VEL - 森下武
カテゴリー
- VEテクニック
キーワード
- 原価企画
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