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制約条件とVE ~制約条件によるVE対象の選定~
制約条件とVE ~制約条件によるVE対象の選定~
フジタ工業株式会社工事本部 建築統括部:鶴家健
フジタ工業株式会社工事本部 設備統括部:斎藤敏弘
フジタ工業株式会社工事本部 建築統括部:横沢勝弥
建設業が一品生産であり,VEの量産効果があまり期待できない以上,少しでも多くのVE改善テーマに取り組み,改善件数でそれらをカバーしなければならないことは,過去の論文で述べられている。
これまで当社の作業所VEは,VE対象選定会議(VE計画会議)によってVE対象の摘出を行っている。従来,ここでとり上げられる対象は,主として顧客の要求する機能や,それらを達成する手段として二次機能を中心に検討されてきた。これは設計図書や見積書を中心にしたVE対象の選定であり,機能的側面を最重点にしてきたためである。
1つの建造物を建設するには,その地域の自然的特殊性を理解し,さらに法令や行政指導を満足するなど,さまざまの外的な制約条件をはじめとし,安全や品質確保のため,種々の企業内規程を順守しながら,設計図に示されたものを構築することになる。
作業所VEでは,それらの制約条件に対して,いかに対応するかが施工上重要な鍵であるが,従来,施工経験の豊富な,いわゆるベテランと呼ばれる人達の勘にたよりすぎていた点は,大いに反省すべきところである。
今まで,これら制約条件に対し,何の抵抗もなく通りすごしていたVE対象選定の中で,今一歩,追求を加え,果して「本当に制約条件であるか否かの掘り下げ」と,「制約条件をVE対象として,積極的にとりあげる」などVE対象選定のトータル化と,一層のVE活動の活性化を目指して研究を続けてきた。
この論文では,制約条件に対するVE対象選定の考え方と手法について,その内容を詳述する。