当社では、維持管理業務をより効率的に実施するため、インフラマネジメントシステム(i-DREAMsⓇ)を開発・運用している。i-DREAMsⓇは、GISプラットフォーム(地理情報システム)と構造物台帳や図面等さまざまな維持管理データをシームレスに統合し、一元管理するシステムである。今後、当社の維持管理業務において更なる効率化・高度化を図るためにVEによるシステムの機能改善検討を実施した。本稿では、検討内容を報告するものである。
★キーワード
首都高速道路、インフラマネジメントシステム、維持管理、ICT
サービス業において、接客のクオリティを揃える方針書のような存在は、必要不可欠である。当社において長く使われてきたサービス方針書の改定にあたり、問題が何か、原因がどこにあるのか、どの機能が不足しているのかを解明するために、VEによる機能分析を適用した。
本研究では、機能から方針書の構成を再構築した事例の紹介と、具体化にいたるまでの課題・解決案について考察する。
★キーワード
サービス方針書、パチンコ、接客の軸、具体化
近年ITシステム化による業務の変革であるデジタルトランスフォーメーションが官庁や企業で推進されている。このデジタルトランスフォーメーションでは、従来の業務をそのまま単にITシステム化するのではなく、投資効果の高いITシステムの見直しを実施するために、同時にビジネスそのものやビジネスモデルも変革することが必要とされている。
筆者らは、この手段のひとつであるBPR(Business Process Re-engineering)を効果的に実施するために、管理・間接業務の改善手法であるLEV(LEAN Enterprise Value)技法を効果的に適用する具体的な手順を提案している。今回、このLEV技法を用いて、ガスによる給湯暖房システムTES(Tokyo-gas Eco System)の特注工事対応業務の改善を実践した。本実践論文では、その提案した手順を示し、結果を論じる。
首都高速道路(株)はレインボーブリッジを代表とした長大橋の塗装塗替え工事は、塗替え作業の土台となる足場の計画が安全性や工事費の縮減において重要となる。本検討は、レインボーブリッジの全面塗替えに向けた主塔の足場計画検討にVE の検討手法を取り入れ、安全性や景観性に配慮した足場計画を提案したものである。
首都高速道路が積雪により通行止めとなった場合、社会に与える影響は大きく、速やかな除排雪作業を行い可能な限り短時間での交通開放が望まれる。しかし、平成30年1月22日~23日にかけた降雪においては、都市部で23cm の積雪があり、全線の通行止め解除までに約5日間を要した。本検討では、その反省をふまえ、従来の除排雪作業からより効率的な作業方法の検討を行い、通行止め期間の短縮が図れる除排雪作業方法を提案したものである。
首都高小松川ジャンクションは、新たな2方向の連結路と、既設入口に加え新しい入口が作られ、既設出口の付替えも行われる。供用後は新たな本線分岐と、利用形態が従来から変わる出入口となることから、お客様に混乱なく、安全に利用して頂く点に着目し、アイデア発想を実施した。具体化する過程で、アンケートによる客観的評価を取り入れ、お客様にわかりやすく、安全と考えられる供用開始ステップを提案した。その他、工程短縮、広報手法の検討も実施した。
建築生産における商品開発という側面をみると、一品受注生産であるがゆえに、個々のプロジェクトにおける業務プロセスの大部分を対象としている。つまり、ルーチンワーク(通常業務)そのものが商品開発といえる。
一方、社会経済情勢が大きく変化している現在、従来の生産者主導の価格形成から市場価格主体へと、マーケット・ニーズが激しく変わってきた。このような状況下における商品開発に対応するために、コスト管理がより重要となり、特に事業企画といった川上段階から、生産プロセス全域に渡り、適用されつつある。
このように広範囲に渡ったコスト管理システムは、多少の欠落部分はあるにしろコストエンジニアリングの領域に著しく近づきつつある。このような段階においては、VE活動・組織・プロジェクト管理システム・ツールとしての概算見積り手法等、幅広い仕組み作りが必要であり、これらを洗練化させてシステムを構築しなければならない。
本橋では実務面からコストエンジニアリングによる商品開発の方法論と、活動の実際を述べる。
環境問題に対する世論の高まりは近年特に著しい。その中でも特に大きくとり上げられている1つが,廃棄物処理の問題である。
当工場は昭和62年に廃棄物処理のVEに取り組んだ。しかしこれは埋立地枯渇による処理費高騰への対応を目的とするコスト低減プロジェクトであった。
2年余を経て,このプロジェクトは一応の成果を得つつある。しかしこの間,環境管理への意識の高まりは,「産業廃棄物処理のVE」の焦点をコストから序々にその処理法へ移していった。すなわち環境保全・再資源化を指向した処理法により,産業廃棄物処理そのものの価値を高めることへと,主目的を移動させたのである。
本論は,当工場がコスト低減を目ざした活動から,地球を顧客とみなした「産業廃棄物処理のVE」へ転向する一課程について学んだところを報告するものである。
当事業所では,製品開発時にVECを効果的に導入し,製品価値向上に積極的に取り組んでいる。その中で金型VECも重要な役割をになっている。
この論文では,新規型の約70%を占める射出成形用金型とプレス板金用金型に焦点を当てて,新規型の必要な部品の機能系統図から,価値の把握と金型費の低減ポテンシャル値を算出し,それに基づいてアイディアを具体的に抽出するプロセスを「金型VEC」としてまとめ報告するものである。
生産企業のあらゆる,経営活動に共通な経営哲学であるコストダウン(C.D)については,従来にまして真剣に考え,究極コストを日常活動の中に定着させるべきものであるが,近年,労働に対する価値観がうすれてきている状況では,「何が」「どのようになればよい」といった順序を正しく捉えないと,単にC.Dするといった,漠然とした活動になり,価値を評価(この商品を作るには,これだけのコストが発生する)すべきことを忘れるのではなかろうか。