論文キーワード: VEのジョブプラン 2件

近年、製品機能の高度化、複雑化により、新規開発や設計変更により生じる品質面での リスクは益々増加している。このリスクを避けるため、創造による変更を行うVEに対し て、消極的になることが製造業の開発現場でも見受けられる。このような傾向は、企業だ けでなく社会全体の成長を停滞させる大きな問題になる。 そこで、本論文では、製品の新規開発や設計変更によるリスクを管理し、品質を確保す るため、VE実施手順にリスクマネジメント手法注1)を活用することを提唱する。この中で、 反転リスク分析系統図を作成する手法を確立する。 この手法により、VE実践の中で、機能本位の視点から、製品全体のリスクを特定・分 析し、具体的な対応を検討することで、新規開発や設計変更によるリスクを漏れなく管理 することができ、品質をより効果的に確保することができることを示した。

求められる機能を提供する企業にとって、新しいコンセプトの提案をして潜在ニーズを掘り起こし、そのニーズに沿ったシーズ開発をする必要に迫られている。一方、新しい価値を創造し、明確に他製品を差別化するための鍵を握るのは、製品を構成するキ一部品/キー材料ともいわれていることから、開発企画段階から、製品開発側の発注者と資材供給側の取引先との両者の研究開発部門を参画させたプロジェクトをつくり、両者が共同して製品開発を推進する資材共同開発VE推進の仕組みを確立し、価値を共に創造する基盤構築を行いVE活動を推進することが重要である。

この資材共同開発VE推進の仕組みについて、パイロット・プロジェクトを実行した結果、VEの適用範囲の拡大に効果の期待できる成果が得られたので、これに基づく方法論を以下に記述する。