論文キーワード: チームデザイン 9件

多くの製品は競争優位性を確保するため、多数のバリエーションを有していることが多い。そのような製品をシリーズ開発する際での設計構想段階にて、多数の バリエーションに対して有効に共通化できる部品モジュールを開発し、それを製品の各目標Q(品質)、C(コスト)、F(機能)、D(納期)を満足させるよ うに、最適なモジュール展開構想を実施することは非常に重要であることは言うまでもないが、今まで具体的な手法がなかった。本論文ではテアダウンの手法を 活用し、モジュール展開構想の見える化、比較分析を行い自社の開発製品に対していい所取りを行う、具体的な手法について提案する。

この論文は、地域住民が主体となって、便利で、快適で、人情味あふれる個性ある街づくりを実現するために、VEを適用し行政と住民が協働して、街づくりプランを合理的に策定する提案である。従来の我が国の都市計画は行政主導型で、その内容や手続き等は法律で細かく規定され全国画一的であった。これを欧米方式に改め、個々の市町村が各々の特徴や個性を活かし、行政と住民が協働して、『コラボレーション・デザイン』の考え方を取り入れ、都市を形成する方針に都市計画法が改正された。それは様々な考え方を持つ住民が、望ましい街づくりの未来像を描き、その構想やイメージを共有して、街づくり目標を達成するアイデア発想して街づくりプランを策定し、住民が主役の街づくりを進める。

すなわち、行政と住民が協働して創意工夫し、街づくり目的に合った良好な街環境を形成し、維持・向上させる考え方である。そのため、街づくり機能を明確にし、その機能を達成するアイデア発想して、アイデアを相互に補完させ、異なる発想を交錯させ、新たな視点を見出し調和させ総合化して、目的に合った街づくりを実現するVE論文である。

小型メカトロ装置の設計開発については、従来の高度成長期の開発装置は、ともすると設計者各人の技量が装置全体に提案され、顧客の真の要望は二次的要因であった。顧客満足度を追求した装置を開発製作するための手法として、設計者が開発段階で行うDR(デザインレビュー)とVE(バリューエンジニアリング)の仕掛け仕組を一体化し、ISO環境等をも加味し、チームデザインで行った「M-VM手法」(以下説明)を実践し、各メカトロ装置の開発をすることにより、装置全体のスキルアップと顧客の満足度向上と信頼性の向上を得ることができた。その結果、プリンターメーカーの自動化装置、公共のETC用遮断機の受注展開、駐車場システム装置への応用、半導体画像検査装置への進出、環境関連システムの受注に繋がり、その部門のスキルアップとマネジメントの構築が図れ貢献できたので、ここにメカトロ装置開発のリニューアル化とマネジメントについて述べる。

本論文は、自動車部品を対象とし、納入先との共同開発を行い厳しい目標製造コストを達成していく開発設計段階のVE(以降では開発VEと呼ぶ)の効果的な進め方を提案し、その有効性を明らかにするものである。すなわち、従来の自動車部品メーカーで多用されている開発VEの進め方の問題点を明確にし、この問題点を解決する方法を考案して、これを開発VEのジョブプランのステップの中に取り入れVE活動を効率化したものである。具体的には重要な基本機能を果たすためのおおまかな方式・構造案を決定した上で、それ以降の機能の定義・整理・評価やアイデア発想をしていくという新しいステップを取り入れた開発VEを進めるものであり、その結果、従来の開発VEより短時間で効果的な成果が得られることを示したものである。

VEでは、5原則の1つ「機能本位の原則」に従い、機能を発想起点にすることで、大きな変革に繋がるアイデア発想が可能だとしている。しかし、企業において、製品の機能やその達成手段は長年にわたり研究され現在の方式や方法が採用されている。また、現在、スピード開発が求められている。通常の製品開発期間においてすべてに対し、機能に立ち返った研究を行うことは困難となっている。特に、上位の機能は変更の困難性が高く、製品開発日程上、アイデア発想の起点としにくい状況である。

また、設計図や試作機などがなく、設計者の頭脳内部の構想しかない製品構想初期段階や、クリーンルームを必要とする小ロット大型産業機械など、現物を目の前に置き、その機能からアイデアを発想することができないようなケースにおいても、機能だけを発想起点とする事は困難になりつつある。本研究は、このような困難に対し、事前に「言い訳(Excuse)」と「質問(Question)」を準備し、問題点や改善点を明確化し新たな発想起点を提案する事で、アイデア発想を活性化することに役立てようとするものである。

研究開発部門の生産性向上は、企業経営において重要課題であり、その課題に対応する管理技術としてVEは効果的であり、しかも、研究開発段階でのVE活動の実施はVE活動対象のなかで最も効果的である。そこで、本論文では、研究開発部門のVE活動をより効率化するために構築した、既に研究開発部門に普及している高度情報技術を活用した経済的システムとしてのイントラネットを利用し、チームデザインを重視するとともに、VE発想技法を活用したVEジョブのアプリケーション化と分散協調型のVE活動を可能にするVE活動支援システムについて述べる。

建設工事の合理化の中で、工法の改革による合理的施工方法の改善が要求されている。建設工事は複数の工事要素の組み合わせにより構成されており、それぞれの要素が密接に関連付けられている。一般のVE手法では、要素別に検討を行った方が具体的なアイデアがでやすいが、その反面、相互関連的な面において支障が出ることも多い。個々の要素では、有効なアイデアでも、前後の関連を見ると有効性が減じられる場合や、実際には採用できない具体案もでてくる。一つの要素に対してだけの改善案では、全体的にみて効果が半減してしまう。ここでは、工事要素が比較的少なく、各要素のからみが大きい高層煙突工事を事例として、要素の分類から要素の関連付けによるVE検討を行った。その結果、個々の要素を他の要素と関連づけることにより、総合的に高機能な施工方法を開発することができた。この建築工事におけるアイデア関連付け法の手法とその検討結果について報告する。

VEは実践工学であり経験工学であるといわれている。しかしながら、実践に寄与するVErを育てるために、数多くのVE実践活動を経験することによって実践力が身につくのを待っていたのでは、今日のような変化の時代のスピードについていけるものではない。加えて、組織のフラット化は一層の個の力量の強化を必要とし、商品競争力を向上させるためのVE技術をいかに早く広め実践に寄与するかが重要な課題のーつとなってきている。とりわけ、VE教育におけるVEマインドの移植成果は、その後の実践の場での戦力力量に大いに影響をもたらすものであり、従来のVE教育における課題を社内VEセミナーの実績データをもとに解析し、『実践的VE教育のすすめ』として提案する。

建設業は個別受注産業で、その都度異なる要求の建物を、その都度異なる生産場所で、厳しい自然条件に対応しながら、主として屋外で生産している。そして、それらの建築物は、施工計画によって品質・工期・安全などが保証される性格を持っている。

そのため、施工計画は、設計図書や契約書に示される発注者の要求条件と、生産場所の客観的与条件に基づいて、施工管理をする作業所の担当者と、企業の専門スタッフが英知を結集して、チームデザインをすべきものだと言われている。

この施工計画は、設定条件が変化すると計画も変わり、又、設計意図と敷地条件の相互の関連に施工計画の条件を合わせ、全体計画を想定して計画しないと、計画を実施する施工管理の段階で、大幅な変更が発生するものである。更に、建物を作る施工精度も、この施工計画の内容の精確さで決まる要素を持っている。これらの問題を解決するため、施工計画を立案する、施工計画の立案に関するVE手法を考案した。その手法を以下に提示する。