論文キーワード: 動詞選択 1件

「機能の定義」では、適切に機能表現を行うことで、「アイデア発想」においてより思考を広げ抜本的な発想ができると言われている。本論文では、機能定義用語のうち動詞に対してアイデアの出しやすさを示す指標(定量値)を計算言語学の応用によって求め、「機能の定義」に不慣れであってもアイデアの出しやすい動詞選択を可能とする方法論を検討する。動詞が「思考を広げる」のは、①その動詞が様々な場面で用いられるからである。②コーパス注)の用例数が多いものが動詞の使用場面数を数量化したものである。①、②から「コーパス用例数が多い動詞がアイデアの出しやすい動詞」であると仮説を立てた。これを検証する調査を行ったところ、動詞のコーパス用例数とその動詞から得たアイデア数には相関が見られなかった。しかし、その一方で、アイデアを出しやすいと感じる動詞の順位を質問したアンケートでは、動詞間でその印象に有意差が見られ、「機能の定義」で用いる動詞選択が「アイデア発想」で得られるアイデア数に一定の影響を及ぼす可能性があることを示唆する結果が得られた。今後は、「今回の実証実験&アンケートの結果」を総合的に吟味し、機能の定義の機能表現とアイデア数向上の関連性をより客観的に分析し、アイデア発想に役立つ科学的な動詞選択ツールの開発研究を継続するつもりである。