論文キーワード: パワー 1件

VEは、価値向上を改善の目的とする優れた方法論である。より多くの経営者に理解され、より広い領域に適用され、より大きな効果を創造するために は、価値向上の効果を目に見える形で示したい。そのためには、定性的な表現や精神論ではなく、定量的で具体論とするべきである。特に、機能(F)の変動を 伴う価値向上時が、とりわけ困難である。

そこで、本論では、あらゆる価値向上のパターンに適用でき、その経済効果を厳密に計算する式を提案する。この式により、これまで、提案者の説明力と被提案者の理解力に依存していたものが、客観的に表現されるようになる。

さらに、価値(V)による判断を補完する新しい指標として、パワー(P)を提案する。FとCから計算されるPは、Vと共に用いることで、さらに経営判断を助けるものとなる。価値の概念がより強調され、経営の進むべき方向と力の掛け具合が明確になる。

全編をとおして、筆者が特に伝えたいことは、VEをコスト削減のためだけに使うのではなく、あらゆる価値向上に活かしていこうということである。