論文キーワード: サービスVE 2件

経営改革手法として、製造業を中心に成果を出してきたバリュー・マネジメント(VM: Value Management)であるが、非製造業と呼ばれるIT企業や商社、保守、飲食などのサ ービス企業でも、バリュー・マネジメントによって、効率的な業務と価値ある新サービス の創造で企業価値の向上に取り組む企業が増加している。成熟化する国内市場では、「モノ からコトへ」の消費の変化によって、今後もサービス企業は増加が期待される。 そこで、サービス業の経営改革手法として、より効果が出るように、ワークアウトや Fast Works といった経営改革手法とバリュー・マネジメントを融合させた、新たなバリュー・ マネジメント手法(顧客指向バリュー・マネジメントVMC: Value Management for Customers)を開発した。より高い満足を迅速に顧客に提供するために、効率的な業務と価 値ある新サービスの創造を加速し、企業価値を向上させる経営改革手法である。

VEの最も特徴的な部分は機能系統図といわれている。機能系統図を作成する上でキーとなることは、上位機能(目的)と下位機能(手段)を整理することであり、その過程で設計の考え方や、チーム員のコミュニケーションが計られている。

テアダウンや既存製品の改良品の機能系統図に関しては、部品や部組品があるので、それぞれの機能は比較的簡単に作成でき、その機能の上位機能・下位機能関係を整理することになる。一方新規製品や公共事業、行政などの機能系統図作成に関しては、部品や部組品がないケースが多いので、機能を考えることに非常に多くの時間がかかっている。

本研究では、機能系統図を作成する時に必ず考えなくてはいけない上位機能(目的)一下位機能(手段)の効果的作成方法「機能定義のための逆転発想法」を提案するものである。この考え方を活用することにより、自治体などのサービスVEの機能系統図へも活用できることを明らかにするものである。