本書のポイント
この本の執筆のきっかけは、1990年代以降の日本経済の長期停滞期にあっても多くの日本企業(主に製造業)は研究開発に関する関心を失わず、高付加価値型製品 を企画・開発していく必要性を認識しているという事実(たとえば『日経産業新聞』の企業の研究開発活動の連載記事:2001年10月1日)を知ったことに ある。
また、産業能率大学が行った各企業の研究開発部門への重点課題に関する調査結果からも、具体的な重点課題として「新製品・新技術の開発」(23%)、「開発期間の短縮」(22%)、「技術者の創造性開発」(17%)、「開発コストの低減」(14%)への関心が高いという結果を得ている。
このような背景から、筆者は企業の新製品開発活動の要である開発・設計活動の効率化に役立つ代表的なテクノロジーマネジメント手法を、広く企業の研究開発活動に関わる方々(製品企画担当者、開発設計エンジニア、生産技術エンジニアやその分野の管理者や企業経営者など)に向けて執筆することを思い立った。