当社では、維持管理業務をより効率的に実施するため、インフラマネジメントシステム(i-DREAMsⓇ)を開発・運用している。i-DREAMsⓇは、GISプラットフォーム(地理情報システム)と構造物台帳や図面等さまざまな維持管理データをシームレスに統合し、一元管理するシステムである。今後、当社の維持管理業務において更なる効率化・高度化を図るためにVEによるシステムの機能改善検討を実施した。本稿では、検討内容を報告するものである。
★キーワード
首都高速道路、インフラマネジメントシステム、維持管理、ICT
VE実施手順において機能の整理段階で機能を目的-手段の論理に基づいて機能系統図を作成する。この機能系統図は設計の考え方の理解やアイデア発想の誘発などに寄与し、次のステップである機能評価を行う上での材料となる。ゆえに機能的研究法の重要な位置づけといえよう。
このためその作成過程及び完成度は機能的研究における活動成果に大きく影響を及ぼす。
この機能系統図の作成においてはVE活動メンバーの知識・経験・スキルによってその完成度、及び作成工数に差が生じてくる。本論文では製造段階のVE活動において構成部品相関図を活用した機能系統図作成テクニックを考案するとともにVE実践論文「VE実践における機能抽出の課題と効果的な機能抽出方法の考案」(注1)で考案した構成部品相関図を更に探究し向上させた内容を提案する。
★キーワード
製造段階のVE活動、開発設計段階のVE、機能系統図、構成部品相関図、UH相関図、図面
サービス業において、接客のクオリティを揃える方針書のような存在は、必要不可欠である。当社において長く使われてきたサービス方針書の改定にあたり、問題が何か、原因がどこにあるのか、どの機能が不足しているのかを解明するために、VEによる機能分析を適用した。
本研究では、機能から方針書の構成を再構築した事例の紹介と、具体化にいたるまでの課題・解決案について考察する。
★キーワード
サービス方針書、パチンコ、接客の軸、具体化
新型コロナウィルス感染症により、調達、物流などのサプライチェーンに支障をきたし、供給面に影響が及んだ。これにより、人員・設備が一部機能不全になり、ニューノーマルでの生き残りに向けて、自動化への取組みが急速に進展した。
今後は新型コロナウィルスだけでなく、高齢化も進み、人材確保が重要となってくる。生産においても、自動化が求められ、最適かつ効率的な設備投資をする必要がある。また、製品の市場価値のサイクルが短くなってきており、製品と設備を同時に製作することが重要である。VEにおいて製品の価値を向上することが多いが、今回は生産価値の向上も含めたVEを実施した。
本論文ではACサーボモータを駆動するサーボアンプの製品開発VEと製造工程VEを同時に行うコンカレントVEで、生産価値の向上及び開発期間の短縮をした実践事例を挙げる。
★キーワード
製造工程のVE 、組立サイクル、省人化、生産価値の向上、コンカレントVE
VEリーダーの資格を取得した者は「よりVEを使えるようになりたい」という思いを持っているが、VE初心者はさまざまな壁に直面し悩みを抱える者が多い。そこで複数の企業においてVEリーダーの資格を取得して2,3年が経過した初心者を対象として、受講者のニーズをもとに、必要な機能の分析からVEの考え方や実践事例を学ぶ研修とVEの実践活用の促進・定着を連携させる研修プログラムを構築、実施した。
その結果、受講者が直面している壁を取り除きVEの理解をより深めさせることができた。そして、その理解をもとに各自の所属組織においてVEを活用し成果を上げることに繋げて、研修の満足度を向上させることができた。
本論文ではVE初心者のニーズや課題を整理し、機能分析を用いたVE初心者のための効果的な研修プログラムの構築方法とその検証結果・考察について述べる。
★キーワード
VE研修、VE初心者、VE実践活用、研修の満足度向上