異文化を見聞する (2)   (ゆ)  No.36 

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

前回のブログ№35に書いたヨガの研修旅行で、日本語能力試験1級を持ち、漢字でも何でも覚えてしまわれるインド人の通訳の方に「どうしたらそんなに覚えられるんですか?」と私が質問したところ、彼から返ってきた言葉は、「どうしたら忘れられるのかを教えて欲しい」という何とも羨ましいものでした。
インドは「0」を発明した事で有名ですが、脳の構造が少し違うのかもしれないと思いました。顔立ちも彫りが深く、道行く男性を見ていても「哲学者かしら?」と思うような面立ちの方が多かったです。

インドに行くまでは、仏教発祥の国ですから、国民のほとんどが仏教徒と思いこんでいたのですが、9割がヒンズー教で、今や仏教は残りの1割の一部に過ぎないと聞いて意外に思いました。
ヒンズー教の神様にシヴァ神という「破壊と創造」の神様がいますが、「ブラスト&クリエイト」という事で、VEにも通じるものがあると思います。そのヒンズー教の中にもいろいろな宗派があり、「生き物を殺してはいけない」、「4本足の乗り物に乗ってはいけない」、といった戒律の厳しいものもあると通訳の方から伺いました。

India  2001.8 photo by y★u
India 2001.8 photo by y★u

ある日の食事のテーブルで、たまたまヨーガ学会の会長と理事長と同席になった際、『ヨーガ学会の会報にこの旅行の感想を書いて欲しい』と直々に依頼されました。帰国してから、「母なる大地 インドを旅して」と題して3ページ程を書いたのですが、シヴァギリ僧院という寺院で教えていただいた「人類には一つのカースト、一つの宗教、一つの神、一つの言語」という言葉が印象的だった事に触れました。
VEにも5原則がありますが、インドのバガヴァン ババによって掲げられたのが次の四つの原則です。

1.一つの宗教は愛という宗教。

2.一つのカーストは人類というカースト。

3.一つの言語はハートという言語。

4.あるのは一つの神のみ、神は遍在。

約2週間の旅行中には機中泊も何度かあり、インド上空にいる時にふと思ったのは、すべての宗教の目指す所というのは、山の頂上のように一つだけれども、そこへ到達するための登り方が様々(な宗教)であって、「こっちがいい」、「いや、あっちがいい」と互いに譲らないので争いになるのではないかという事でした。もちろん、事はそんなに単純ではないかもしれませんが、帰国して1カ月も経たない内に、アメリカで911の事件が起き、「宗教」とか「民族」、「異文化」等について改めて考えさせられました。

さらに、インドで一番強く感じたのは「母」という概念で、マザー・テレサやマザー・ミラに及ばないとしても、「相手を自分の子供のように慈しめば平和な世界は実現するのでは?」と思いました。
マザー・ミラは、私達も訪れたオーロヴィルという世界最大のエコヴィレッジの創設者ですが、「真理は一つ。しかし、そこへ至る道は、沢山ある」と考え、そこでは宗教は何でもOKだそうです。「自分が何者であるかを知り、自分の運命を自分で選び、自分がなりたいものになる意志を持つ事」が大切な事だそうです。

戒律の厳しい宗教も存在するインドですが、この研修旅行で、私は逆行するような行動に走りました。それが何だったのかは次回にさせていただきます。

さて、以前にもお知らせしましたが、本年11月にインドで開催されるアジアVE大会に参加する海外研修のお申込み期限は11月4日となります。(https://www.sjve.org/7803
来る10月25日、26日に開催されます当会の第49回VE全国大会でも、この海外研修の詳細をご紹介いたしますが、インドを始め、アメリカや中国の方からの海外発表もございます。こちらへのご参加の締切りは明日10月21日となりますが、国内で異文化を見聞できる機会ですので、是非、ご参考にされてみてはいかがでしょうか?(https://www.sjve.org/7254

では、よい週末をお過ごしくださいませ。  (ゆ)

過去のブログはこちら

関連するページ