忠告をする (2)   (ゆ)  No.24 

暑中お見舞い申し上げます。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。
暑い日が続きますね。昔の今頃に撮ったものですが、日光霧降高原の写真で涼を感じていただけましたら幸いです。

kirihurikougen 2007.7  photo by y★u
kirihurikougen 2007.7 photo by y★u

さて、前回のブログ№23で『足を踏んでおいて謝らないなんて!』と見知らぬおばさんに私が怒鳴られた話を弟にした際に返ってきた意見というのは、『鏡だよ、鏡!』というものでした。
『そのおばさん、多分、回りから嫌われていると思うけど、姉貴も同じような所を持っていて同様に嫌われているかもしれないから気をつけろという天からのメッセージだよ!』と続きました。『でも、少しあたったかもしれないけど踏んでないんだよ』と言うと、『そのおばさんにとっては、触れられても踏まれたのと同じなの!』とのこと。

そこまでの話をまた回りの人達にすると、『そういう所にまで気づけるなんて、弟さんってすごいね!』とか『気づかせてくれたそのおばさんにも感謝だね!』とか、皆一様に感心して弟の事を称賛していました。
弟は、祖父の代から続く実家のお店を継いで、いろんなお客様達と接してきた上に、二世帯同居の両親の面倒も義妹と一緒に最後までみてくれて、私などよりずっと苦労してきたこともあり、(生来のものかもしれませんが)相手の立場に立てる優しさを持っているからこその意見だったのだと思います。

前回のブログ№23で触れたように、「足を踏んだ」というような些細なきっかけとはいえ、三軒茶屋の事件は殺人事件にまでなってしまいました。今回の踏まれたのに謝ってもらえないというおばさんの被害者意識、踏んでないのに怒鳴られたという私の被害者意識、この負の意識のぶつかり合いからは、負のものしか生まれません。
これが個人と個人でなく、国と国なら戦争にまで発展してしまう事だってありえます。どちらかが、あるいは両方が被害者意識を捨てないと、負の連鎖で争いは終らないでしょうし、いつまでたっても地獄の中にいることになるのだということを、この出来事と弟からの忠告で気づくことができました。そして、世界各国の為政者の方々にもこのことに気づいて欲しいものと思いました。

この出来事があってから数カ月後、「うかつあやまり」という言葉が「江戸しぐさ」の中にあるということを知りました。これは、足を踏まれた方の人が、『踏まれるような所に足を置いていた自分もうかつで悪かった』と謝ることを言うそうです。私の母は、この言葉を知ってか知らずか雑踏を歩いていて誰かが母にぶつかってきても、自分から先に「ごめんなさい、ごめんなさい」とよく謝っていました。
雨の中、すれ違う際に傘がぶつからないようにかしげる「傘かしげ」も江戸しぐさの一つですが、江戸時代の人達は、狭い国土の中で争いを避ける術を上手にあみだし伝授していたのだと思います。
「相手の立場に立って考えて生みだされたしぐさ」には、顧客本位のVEに通じる所があるような気がします。

電車内での出来事のお陰で、(おばさんを通して)天からも弟からも忠告を受け、違う視点からものを見ることができました。一人で煮詰まってしまった時、相談(コンサル)によって得られる第三者の意見というのは貴重なものだと実感しました。
なお、当会では「VEコンサルタント養成講座」を今年も開催いたします。

VEコンサルタント養成講座:https://www.sjve.org/6880

人のためにも自分のためにもなる講座だと思いますので、ご興味のある方に受講をお勧めいたします。

では、よい週末をお過ごしくださいませ。  (ゆ)

 

過去のブログはこちら