2023年度 第2回 「経営者フォーラム」
「インパクト評価と価値創造経営-サステナブルな価値共創の好循環をめざして」
開催概要
日 時 : 2023年8月31日(木) 15:00 ~ 16:10
会 場 : アルカディア市ヶ谷(私学会館) 6階 阿蘇(西)
内 容 :
- 講演「インパクト評価と価値創造経営-サステナブルな価値共創の好循環をめざして」
明治大学 経営学部 教授 塚本 一郎 氏 - 質疑応答
講演概要
近年、サステナブルな企業価値創造という共通目標実現のため投資家と企業との対話が求められ、企業価値に関して財務価値のみならず非財務価値を評価し開示するニーズが高まっている。一方、経済や社会を構成する多様なステーホルダーが創造し利用する「価値」は、株主価値(狭義の企業価値)を超えて、多様な主体に帰属する「ステークホルダー価値」であり、財務価値のみならず、ウエルビーィングを含む非財務価値も含まれる。こうした広義の価値創造は営利、非営利を問わず、多様なステークホルダー間での「価値共創」の好循環を通じて実現される。
この価値共創を通じて生み出される価値には、GDPに象徴される経済的付加価値にとどまらず、貨幣価値への換算が困難な「社会インパクト」(社会状態や環境の改善)も含まれる。近年、利益最大化を基本原則とする営利企業においても、非財務的なインパクト関連の情報開示要請が高まる傾向にあるが、未だ定量化や標準化が困難であり、様々な評価手法や指標が乱立している。また、グリーンウォッシュやインパクトウォッシュと呼ばれるような上辺だけの情報開示も懸念されている。インパクトウォッシュを回避するためにも、価値創造経営のプロセスや成果を適切に把握し共有しうる「共通言語」としてのインパクト評価の普及、そしてその指標・手法等の標準化が求められている。
公益法人等、公益目的の非営利組織の社会的存在意義(パーパス)が、利益最大化ではなく、社会インパクトの最大化であるとすれば、営利企業以上に、インパクト評価を活用する意義は大きい。すなわち、インパクト評価を公益法人経営のPDCAに組み込むことで、公益法人の価値創造を組織内外に可視化し、ステークホルダーとのコミュニケーションや事業の持続的な改善の実現が期待される。
【 講師略歴 】
塚本 一郎(つかもと いちろう) 氏
明治大学 経営学部 教授 |
一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、佐賀大学経済学部専任講師(1995年4月)、同助教授(1996年4月)、明治大学経営学部助教授(2001年4月)、同教授(2002年4月)を経て現在に至る。研究分野は社会的企業、非営利組織、公共経営、インパクト投資、インパクト評価(SROI等)など。著書は、『インパクト評価と社会イノベーション』(編著、第一法規)、『ソーシャルインパクト・ボンドとは何か』(編著、ミネルヴァ書房)、『New Public Governance』(共著、Routledge)など多数。
2009年4月に株式会社公共経営・社会戦略研究所を大学発ベンチャーとして設立、2014年4月より代表取締役就任、現在に至る。内閣府「社会的インパクト評価の実践による人材育成・組織運営力強化調査に関する研究会」委員・座長(2016年)、内閣府「平成30年度社会性認証に係る調査・分析事業」有識者委員(2019年)、国土交通省「地方公共団体に対するまちづくり分野におけるソーシャル・インパクト・ボンドの導入支援業務」有識者委員(2020年)など多数の政府研究会委員も歴任。
対 象 : 企業経営者及び経営幹部の方々
参加費 :8,800円 (本会会員は6,600円) 【 消費税・講師著書代込 】
参加お申し込みについて
- 下記お申込フォームに入力の上送信ください。
- お申し込みのキャンセルは、開催日の3営業日(土日祝日を除く)前までにお願いします。2営業日前から前日までの場合は参加費の50%、当日の場合又は欠席の場合は参加費の全額をキャンセル料として申し受けます。