こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。
本日9月9日は「重陽の節句」ですが、この節句のことはブログ№30「スポーツを楽しむ(1)」(https://www.sjve.org/8298)でも触れましたので、今回は明日9月10日の「中秋の名月」のことを書きたいと思います。中秋とは旧暦の8月15日を指し、旧暦では7~9月を秋としているため、その日がちょうど秋の真ん中となるからだそうです。
お月見は元々中国の風習で平安時代に日本に伝わったそうですが、当時の貴族達は、「中秋の名月」に「観月の宴」を開き和歌を詠んだりして楽しんだとか。秋の月は、水分量が春や夏に比べて少なく乾燥している澄んだ空気と月の適度な高さのせいで特に美しいそうです。
お月見と言えば月見団子がありますが、月が満ちた姿を模した丸いお団子は、豊作への祈りや感謝はもちろん、物事の結実や幸福の象徴ともされ、供えた後のお団子を食べることで健康と幸福を得られると考えられているそうです。そして、秋の収穫の感謝を込めてお芋や豆などの収穫物も月に供えたそうですが、稲穂はまだ穂が実る前の時期であることから、穂の出たススキを稲穂に見立てて飾られたとか。下の写真のお皿等にも描かれているススキには、邪気を払う力があると考えられ、災い等から収穫物を守り、次の年の豊作を願うという意味も込められているそうです。
Dishes of the moon and the pampas 2022.9 photo by y★u
平安時代には、現代のような大気汚染の問題もなく、本当に綺麗な月を鑑賞できたと思います。住居の方も今のような機密性がない分、自然に換気ができていたかもしれませんね。前回のブログでご紹介した本『地球と環境のはなし』(稲場秀明著)のお話の続きですが、多くの人は生活時間の90%を屋内(家、職場、学校、店、病院、娯楽施設、車等の乗り物)で過ごすと言われ、容積が限られている空気の汚染度合いも屋外に比べて10~50倍も高いとされているので、屋内の環境は健康により強く影響を与えるそうです。
ウイルス感染を防ぐためにも必要な換気ですが、怠ってしまうと、時には一酸化炭素中毒等で命に関わるケースもあります。外気を取り込んで室内の空気と混合させて汚染物質濃度を低下して室外に排出できる換気には、給気の吸い込み口と排気の吹き出し口による空気の流れを作ることが必要とのことですが、換気には次のような効果があるそうです。
- 新鮮な空気の供給(新鮮な空気を取り入れ、汚れた空気を排出。不完全燃焼の防止)
- 除湿(結露によるカビの発生を防ぎ、床や壁の傷みを防ぐ。湿気の排出)
- 除塵(塵埃の排出は、衛生的な環境のためばかりでなく、掃除も楽になる)
- 脱臭(不快感の原因となる臭気を室外へ排出する)
換気自体はそれほどコストもかからず、以上のような多くの効果が得られるなら、VE的にも優れた「環境を守る」ための手軽な方法ではないかと思いますし、生活の価値の向上につながると思います。
「価値を向上する」ことを目的の一つとするVEは変革の原動力にもなります。当会では、9月30日に「第65回VE西日本大会 変革の原動力VE ~情熱と共創が生む価値創造~」をオンラインで開催、更に10月3日~ 17日(月)のオンデマンドで配信いたします。お申し込みの締め切りは9月26日となりますので、この機会にご参加されてみてはいかがでしょうか?(https://www.sjve.org/24885)
では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)
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