星を愛でる(3)  (ゆ)  No.312

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

このブログで星のことを書いているうちに、ふと、星のような可愛い姿をした金平糖のことを思い出しました。和菓子と思いきや、カステラやボーロなどと共に、戦国時代にポルトガルからもたらされた南蛮菓子の一つだそうです。1569年にポルトガルの宣教師ルイス・フロイスから献上された金平糖を気に入った織田信長は何度も取り寄せたとか。名前も、ポルトガル語で砂糖菓子を意味するコンフェイトスが次第に日本語に変化して金平糖と呼ばれるようになったそうです。信長に愛でられていた当時はシンプルな白い球状のお菓子で、現在の色とりどりの星のような形ではなかったそうですので、日本で進化したようですが、今や日本土産として海外の方にも人気のようです。

      Kompeito  2022.6  photo by y★u

突起だらけの球状の金平糖は、悪運や災厄を退けてくれる効果があるといわれ、無病息災の縁起物としての願いが込められているそうですので、今の時代にもってこいのお菓子かもしれません。更に、ボンボニエール(砂糖菓子を入れる菓子器のことで、上の写真の容器もその一つです)に入れられた金平糖が、皇室では慶事の引き出物の定番とされてきたそうですので、由緒あるお菓子でもあるようです。

さて、前回のブログで、たまたま声をかけてくださった女性のお蔭で以前から行ってみたかったカフェの場所が分かったというお話をしましたが、実は、彼女のセレクトショップを拝見した後すぐにそのカフェに向かった訳ではなく、1時間程の用事を先に済ませてから再び行ってみたんです。すると、その時も、偶然、外に出ていた彼女とばったり会ったので、お互いに軽く会釈しました。ほんのりと薄暗い中、紫陽花を背に浮かびあがるような白いワンピース姿の彼女は、どこか花の精みたいな雰囲気が印象的だったのですが、前回のブログでご紹介した電車での友人との邂逅と同様、同じ日に同じ人に再会するのもかなり珍しいことだと思いますので驚いてしまいました。

再会と言えば、来週7月7日は七夕。引き離された彦星と織姫が1年に一度、天の川を渡って再会することを天帝から許された日ですね。先日、当会のある会員の方から私にメールが届き、その方の幼馴染の方が初めて書かれた短編小説の原稿(A4判で12枚程の当会で募集する論文くらいの分量でした)について、感想や助言等をお願いされました。ブログはお蔭様で300回を超えて書かせていただいているものの小説は書いたことがありませんし、私などでお役に立つのかしら?と、おこがましかったのですが、拝読させていただきました。

七夕の物語は伝説ですが、この方の短編小説は自叙伝のような内容で、離れ離れになっていた幼馴染の二人が1年どころか数十年の時を越えて再会が叶ったというお話でした。幼馴染の少年と少女の子供時代の、それこそ金平糖のように可愛くて甘いエピソード等は微笑ましいのですが、その後はまるでドラマのような偶然の出来事が次々と起こり、どこか運命をも感じさせるようなロマンチックな小説でした。実は、この原稿の1ページ目を拝見して驚いたことがあるのですが、長くなりますので次回にさせていただきます。

上述の金平糖の話に戻りますが、日本に伝わってから、織田信長のような戦国武将を始めとした日本人に450年以上にもわたって愛でられてきたお菓子というのも珍しいと思います。ポルトガルの方がどのように開発されたのかにも興味がありますが、優れた製品であったからこそ他国に渡ってからも世代を越えて連綿と受け継がれてきたと思いますので、何事も最初の企画段階が重要なのではないかと思います。

当会では、7月28日に「企画段階のVE」講座をオンライン形式で開催いたします。本講座では、未来シナリオを合理的に作成する技法を体験し、企画段階のVE(0 Look VE)のアプローチ法を学習します。お申し込みの締め切りは7月18日となりますが、この機会に参加されて、新製品開発・次世代型商品開発に生かされてみてはいかがでしょうか?(https://www.sjve.org/24640

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

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