空を見上げる(4)  (ゆ)  No.308

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

6月に入り空もすっかり夏の空ですが、「空を見上げる」存在には、お花もありますよね。下向きに咲く花もありますが、向日葵のように太陽と共に向きを変えていく花もあります。下の写真は12年前の今頃に行った埼玉の「ところざわのゆり園」で撮ったものです。残念ながら現在は閉園中ですが、このゆり園の近くにある「西武園ゆうえんちのバラエン」ではバラが楽しめるそうです。

Lily flower garden  2010.6 photo by y★u

1950年に開業した西武園ゆうえんちは老朽化が進んだため、1年前にリニューアルオープンした際、その老朽化を逆手にとった昭和レトロな演出が話題になりました。昭和世代はもちろん、昭和を知らない若い人達にも大人気だそうです。「古さ」を「懐かしさ」や「新鮮さ」に変えてしまう発想の転換はVEにも通じるものがあると思います。昭和の街並みを楽しみつつ、観覧車から空を見上げてみるのも一興かもしれませんね。

この季節、バラやゆりもいいですが、茨城のひたちなか海浜公園の青空と同じ色のネモフィラの花畑から空を見上げることができたら幸せだろうなあと思います。ただ、今、そういう世界とは程遠くなってしまっているのがウクライナです。その国旗の鮮やかな「青」と「黄(金)」の色の意味は「青空と金色の麦畑」もしくは「水と火」という2つの説があるそうです。

一方で、日本の国旗も諸説があるようですが、701年に文武天皇が新年のお祝いの儀式で使った日像の幡(にちぞうのばん)が起源だそうです。その後の武家社会で源平合戦が起こり、その時の源氏の旗は白地に赤の丸で、平家の旗は赤地に金の丸のデザインだったとか。源氏が勝利して天下統一を果たしたので、その象徴として受け継がれたそうです。

日本人は農耕民族なので、国旗の赤い丸はかけがえのない太陽をデザインしたとか。神様の頂点である天照大神も太陽の神様で、元日に初日の出を拝むのも太陽信仰の名残だそうです。正式に日本の国旗として定められたのは1999年で、赤も正確には「紅色」で博愛と活力を、地の「白色」は神聖と純潔を意味するそうです。ウクライナ人も農耕民族で、やはりかけがえのない空と麦の色を入れた二色旗を、独立したことの象徴として1992年に国旗と定めたそうです。

国旗に青空を表す色も入っているのに、地下室に避難したウクライナの子供達が、『家を出てから空を見ていない。太陽を見るためにここから出たい』と訴える映像が1か月程前に動画投稿サイトで公開されたそうです。かつての日本でも同様なことがあったのだと思いますが、どの時代であっても、どの国であっても太陽や空がかけがえのないものであることは同じで、それを奪う権利は誰にもないはずです。やはり1か月程前に読売新聞に掲載されていた幼稚園児の詩で、『めつぶってそらみるとさ たいようのおんせんに はいってるみたい』という一節がありました。今、苦境の中にある方達が、この子のように安心して「空を見上げる」ことのできる平和で幸せな生活を早く取り戻してほしいと願うばかりです。

上述の「西武園ゆうえんち」の改装のコンセプトは「心あたたまる幸福感に包まれる世界」で、世界中の人達、特に国のトップの方がこのコンセプトを理想としていただければ争いもなくなると思うのですが、考えてみますと日本の国旗も戦いを経て伝承されてきたようですし、ゼロにするのは至難の技かもしれません。とはいえ失うものの大きさを考えれば、タスクフォースのように力を結集して乗り越えていかなければいけない課題なのではないかと思います。

さて、「西武園ゆうえんち」ではそのコンセプト実現のために100億円のコストをかけたそうですが、この改装は改善につながり、コスト以上に価値もアップしたのではないかと思います。当会では、7月4日~5日に「製品改善ワークショップ」をオンライン形式で開催いたします。VEの基本的な考え方を講義で学び、市販製品を題材に改善ワークショップを行います。お申し込みの締め切りは6月24日となりますが、この機会に参加されて、自社の製品の改善に役立てられてみてはいかがでしょうか?(https://www.sjve.org/24585

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

 

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