こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。
爽やかな季節となりましたね。3年ぶりに制約のないゴールデンウイークも終わりましたが、ちょうど10日前、私はツツジで有名な神木山長徳寺等覚院(https://tougakuin.jp/)に歩いて行ってみました。下の写真は11年前のものですが、今年は例年に比べて満開が1週間程早かったそうです。花が満開ではなくても新録が青空に映えて綺麗でした。
心地よい風に誘われるまま等覚院から以前に住んでいた街まで足を伸ばし、当時、よく行っていた中華料理屋さんで昼食を頂くつもりでしたが、テレビで何回か紹介されて人気店となったせいか20人程が並んでいたので断念しました。近所でも、久しぶりに歩いてみると、新しい建物が建っていたりと様々な変化に気づかされます。そんな変化やバラ等の季節の花を楽しみながら10㎞以上を数年ぶりに歩いたせいか、両足の親指がうっ血してしまいましたが、新緑同様に青空に映えていた鯉のぼりを見上げると痛みが少しだけやわらぎました。以前は綺麗とは言えなかった川も浄化対策で改善され透明度がアップしていて、こちらには本物の大きな鯉がたくさん泳いでいました。
もう立夏を過ぎましたが、日本は四季の変化がはっきりしていて、端午の節句等の季節毎の行事も多いですよね。俳句では、季節を表現するために季語が使われますが、読売新聞に連載されている『KODOMO俳句』(選者・高柳克弘氏)によれば、この季語をきっかけに自分の中に眠っていた言葉が引き出されてくるそうです。季語を入れるというルールは、自由を縛るものではなく、むしろ自由を与えてくれるものだとか。
4月6日掲載の『KODOMO俳句』で、小学校2年生の女の子が詠んだ『あら川でくもを見ながらはるをまつ』という俳句が目に留まりました。高柳氏は、『荒川はかつて、しばしば水害をもたらす暴れ川でした。現在、こういうのどかな荒川を詠んだ句が生まれていることを治水事業にたずさわった人が見たら喜んだことでしょう。春が近いことを川面のきらめきが教えてくれます』と評されていましたが、この女の子がのんびりと川の土手で雲が流れていく空を見上げている情景をすぐに思い浮かべることができます。
もう一つ、小学校6年生の男の子の俳句で、『風船は青い国へのおくりもの』という句も印象的でした。高柳氏は、『「青い国」は青空のことでしょう。風船をつい手放してしまったという現実を青い国へおくりものをしたと表して、詩に変えました。青空によく映える赤い風船じゃないかな?』と評されていました。この句でも、春の季語である「風船」が飛んでいく空を見上げる男の子がぱっと思い浮かびます。私でしたら単純に「青い空」としてしまいそうですが、「青い国」の方がそれこそ風船のように夢が膨らみますし、ロマンとセンスがあふれていると思います。更に、普通のお子さんなら風船をなくしてしまって残念という気持ちになると思うのですが、それを贈り物にしてあげたというポジティブな視点も見習わなくてはと思いました。
視点が大事で、無駄のない短い語句なのに情景がすぐに浮かんで想像も大きく膨らむ俳句はVEと通じる所もあるかもしれません。VE活動には制約条件があることもありますが、季語のようなルールと同様、それがあるからこそ創造力もより発揮できるのかもしれませんね。
俳句は、自分の感じたことを表現するという目的のための一つの手段ですが、当会が来月にオンライン形式で開催いたします「実行力を高める調達・購買」セミナーでは、調達・購買に関わる全ての方々に知っておいていただきたいことを「目的-手段」の関係でわかりやすく解説いたします。6月3日の講座(申込締切:5月24日)では、調達・購買活動の役割とスキル、6月10日の講座(申込締切:5月31日)では、調達・購買活動の重要ポイントと組織能力に焦点を当てて解説いたしますので、参加されて実行力を高めてみてはいかがでしょうか?(https://www.sjve.org/21868)
では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)
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