賞を取る(4)  (ゆ)  No.304

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

前回のブログで、当会のマイルズ賞や協会顕彰、そして企業本賞を受賞された企業の中で、特に私の印象に残っている方をご紹介しましたが、今回はキヤノン㈱と日立建機㈱の方についてご紹介します。

キヤノンさんは2000年に企業本賞、その翌年には同社の代表取締役社長(当時)の御手洗冨士夫さんが協会顕彰・経営者賞、理事・CE本部長(当時)の有賀將雄さん、そして2011年には元・理事・CE本部長の管康人さんがそれぞれVE功労賞を受賞されています。有賀さんには受賞直後のVE誌のインタビュー等で、管さんには現在もVE誌の原稿をご執筆いただき大変お世話になっています。有賀さんがCEセンタ副所長でいらした1983年には10人未満の部署だったそうですが、管さんを始めとする社員の方々と共に「価値創造企業」への挑戦を続けて、退職される頃には約200人の部署となり、『VEというのは自由な雰囲気で発想豊かに環境の良い所で行うと素晴らしいアイデアが出てくる』ことを実感されたそうです。

The Dawn of Value Creation  2022.4  photo by y★u

2003年に企業本賞を受賞された日立建機さんでは、やはりVE誌のインタビュー等でもお世話になった取締役社長(当時)の瀬口龍一さんも1997年にVE経営者賞を受賞されていますが、2010年6月から4年間、当会会長にもご就任をいただきました。上の写真の当会の創立45周年記念文庫『価値創造の夜明け』の中で、瀬口さんは『VEの本当の価値に気づくには「まず、やってみる」ことが大事』だと述べられています。更に、当会の初代会長の産業能率大学最高顧問(当時)の上野一郎さん、第二代会長のオムロン㈱相談役(当時)の立石信雄さん、第三代会長の東京工芸大学理事長(当時)の小野茂夫さん、当会会長特命参与(当時)の土屋裕さん、初代事務局長の田中敏夫さん、元・海外渉外担当の楢崎清雄さん、当会名誉会員のJ・J・カウフマンさんにもご寄稿をいただきました。

それぞれの時代を担って、当会の賞以外にも多くの賞を取られてこられたであろう方々の言葉にはやはり重みがありますし、第二代会長の立石信雄さんは、「発刊に寄せて」の中で『この記念文庫は、昔を懐かしむVE協会創設時の回顧録ではなく、これからの時代を担う人たちへの指針の書として多くの方々に読まれることを期待します』と結ばれています。

多くの組織団体の会長も兼任される中、何回か当会職員との会食の場も設けてくださった立石さんは、この4月12日に85歳で亡くなられたそうです。上野一郎さんもカウフマンさんも既に他界され、そのカウフマンさんやマイルズさんと当会の橋渡しをしてくださり、そして個人的にもアメリカのホストファミリーと私の橋渡しもしてくださった楢崎さんも1年程前に99歳で亡くなられたそうです。ご時世のせいもあり、お会いできなかったのが残念ですが、この場をお借りしてご冥福をお祈りしたいと思います。

『価値創造の夜明け』(https://www.sjve.org/shop/4853)は2010年4月に発行された新書判の小さな本ですが、皆さんの貴重な言葉があふれていて価値は大きいと思いますし、立石さんの言葉どおり多くの方に指針としていただき、何かの賞を取るためにも役立てていただけましたら幸いです。もし、賞を取れなくても、その過程にも価値があり、それがまた新しい価値の創造にもつながっていくのではないかと思います。

上述の瀬口さんが日立建機㈱の前に㈱日立製作所に在籍されていらした1963年に『バリュー・アナリシス入門』という本を出版されてから約半世紀になります。当会では、VEの入門講座「3時間で学ぶVEの基本」を5月17日に開催いたしますが(https://www.sjve.org/24304)、この講座に参加された方を対象に、体系化されたVE活用プロセスを「1日で体験するVEワークショップ」も5月24日にオンライン形式で開催いたします。(https://www.sjve.org/24305
瀬口さん曰く『まず、やってみる』ことが大事だそうですので、あわせましてご参加されてみてはいかがでしょうか?

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

 

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