賞を取る(3)  (ゆ)  No.303

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

今月初めに開催された第64回グラミー賞で日本のゲーム音楽が受賞したそうですが、音楽、映画、文学、演劇、絵画、工芸、スポーツ等々、世の中には実に様々な賞が存在しますよね。そして6日に開催された「2021年度全国選抜小学生プログラミング大会」で、鹿児島大付属小5年生の小田原叶和さんがグランプリに輝いたとニュースで知りました。大島紬の歴史や工程を紹介するアプリを作ったそうですが、生まれて10年程で大きな賞を取るなんて優秀だなあと驚いてしまいました。

広い世界には優秀な人が多く存在しており、生まれてすぐに「天上天下唯我独尊」と言ったと伝えられるお釈迦様の誕生日は4月8日でしたが、昨日21日がお誕生日だったのが、VEの創始者であるローレンス・D・マイルズ氏です。同氏については、ちょうど6年前の今日、このブログ№11「VEを生む(https://www.sjve.org/6302)」でご紹介しましたが、当会にも同氏のお名前を冠した「マイルズ賞」があります。

「マイルズ賞」は、我が国産業界におけるVEの普及促進と企業経営の効率化を願い、VEの創始者マイルズ氏を記念して創設された権威ある賞です。「マイルズ賞」はVEを活用して顕著な成果をあげた企業に、「マイルズ賞本賞(事業部門本賞・企業本賞)」はマイルズ賞受賞後も継続して成果をあげた企業に、「マイルズ賞特別賞」は、VE制度の運用によって公共工事のコスト縮減や価値の高い社会資本整備に努めている公共機関に授与されます。

1983年に開催された第16回VE全国大会にマイルズ夫妻を招いて第1回マイルズ賞授賞式が行われてから約40年になります。この間に多くの企業、団体、事業部門が賞を受賞されてこられましたが、マイルズ賞受賞後も継続的に成果をあげられたということで「マイルズ賞本賞・企業本賞」を受賞されたのが、㈱フジタ(1990年)、㈱日立製作所(1993年)、キヤノン㈱(2000年)、日立建機㈱(2003年)の各社になります。

いずれも日本を代表する大企業ですが、受賞の背景には賞を取るためにご尽力された大勢の方々がいらっしゃると思いますので、継続的なチームワークも必要とされる賞ではないかと思います。本来の業務に加えて、報告資料の作成や審査員の対応等に奔走されて多忙でいらしたと思いますが、その分、賞を取られた後の喜びは大きかったことと思います。

更に、当会には「協会顕彰」という表彰制度もあり、VEに関する研究開発、普及促進等に顕著な功績のあった方(個人・法人)を対象に各種表彰を行っています。アカデミー賞ではないですが、表彰の種類も多く、研究開発功績賞、普及功労賞、協会賞(VE経営者賞、VE活動優秀賞、VE功労賞、VE国際功労賞、VE特別功績賞、VE学術功績賞、普及功労特別賞)があります。(https://www.sjve.org/about_sjve/award

今までに実に多くのVE関係者の方々が表彰されました。個人的にですが中でも印象に残っているのは、1984年に最初の研究開発功績賞を受賞された㈱日立製作所本社VA推進センタ長(当時)の故・山路陽三さんです。私が当会に入職した直後に、初めてお茶をご馳走してくださってから2008年に他界されるまで大変お世話になりました。マイルズ賞・企業本賞受賞にももちろん貢献された上に、個人でも賞を取られるだけあって、その指導力も絶大でいらしたようで「山路学級」なるものを主催され、社内外を問わず多くの方から慕われていらっしゃいました。

1990年にやはり企業本賞を受賞された㈱フジタの取締役副社長(当時)の故・馬場勇さん(1984年に普及功労賞、1990年にVE経営者賞を受賞)と共に、1999年には当会初の名誉会員にもなられました。山路さんが退職された後、㈱日立製作所本社では、組織の変更に伴い残念ながら部門名から「VA」や「VEC」の文字がなくなってしまっていたのですが、つい先日、「バリューエンジニアリング推進本部」という部門名が復活したそうです。私も嬉しかったのですが、もし、山路さんがご存命でいらしたら、きっと喜んでくださったことと思います。VEに再び陽をあててくださるようなこの動きが、日立製作所さんだけでなく他社にも広がってくれることを願っています。

当会の各大会・セミナーでは、マイルズ賞や協会顕彰で賞を取られた多くの企業・組織・個人の方々にもご発表やご講演をいただいております。5月27日にオンライン形式で開催されます「VEフォーラム(旧VE阪神セミナー)」でも、今までに各賞を受賞された方々によるご発表やご講演もございます。お申し込みの締め切りは5月20日となりますが、当日にご参加いただけなくても6月1日から8日までオンデマンド配信もさせていただきますので、この機会に参加されて、賞を取られた実績をお持ちの方々の活動を自社の活動に役立てていただければ幸いです。(https://www.sjve.org/24334

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

 

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