賞を取る(1)  (ゆ)  No.301

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

本日4月8日はお釈迦様のお誕生日。各地のお寺では花御堂を設け、お釈迦様の立像に参詣者が甘茶を注いでお参りする「花祭り」が行われます。甘茶を注ぐのは、お釈迦様の誕生の時に九頭の龍が天から清浄の水を注ぎ産湯を使わせたという伝説に由来するそうです。

心に溜まった厄や災難を洗い流し、心を清めるといわれる甘茶は、アジサイ科の「小甘茶(こあまちゃ)」から作られ、砂糖の100倍以上の甘味があるそうです。甘茶の甘味成分であるフィロズルチンは、胃や腸の機能を改善し血行をよくしてくれるとか。更に、抗アレルギ作用もあることから花粉症の鼻づまりの症状等を軽減してくれる上に、胆汁のコントロール、口臭や歯周病、婦人病や夏バテにも効くそうです。私も頂いたことがありますが、甘い味と香りのするお茶で飲みやすくて美味しかったです。

    Hanatemizu   2014.5  photo by y★u

最近、お寺や神社で感染防止のために使えないようにした手水に代えて、上の写真のような感じの「花手水」を多く見かけるようになりましたが、見た目も綺麗ですし、お花の香りも楽しめますよね。前号のブログでも触れた香水ですが、バラやスズラン等の単一の花の香りが主流だった100年程前に、80種類以上の天然香料に合成香料のアルデヒドを前例のない比率で調合して、複雑なハーモニーを奏でる抽象的な香りとして生み出されたのが、シャネルの香水「№5」だそうです。ボトルのデザインも装飾的な要素をそぎ落とし携帯しやすいように平たくして機能的にしたそうですが、VEに通じる所もあると思います。

更に、「№5」と言えば、ハリウッド女優のマリリン・モンローが、インタビューで寝る時にまとうものを聞かれて、『「№5」を数滴だけ』と答えたのは有名ですよね。彼女は1960年の映画「お熱いのがお好き」で、ゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞されています。このゴールデングローブ賞は1944年から始まり、映画作品とテレビドラマ作品について贈られる賞で、審査員は、ハリウッド外国人映画記者協会に所属する会員だそうです。

もう一つ、映画の賞といえば1929 年から始まった映画作品に贈られるアカデミー賞があります。こちらの審査員は、映画芸術科学アカデミーの会員で、数々のジャンルの賞(監督賞、主演女優賞、助演男優賞、美術賞、短編アニメ賞、衣装デザイン賞等)で構成されています。

そして、先月に開催された「第94回米アカデミー賞」授賞式で、日本の映画「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)が13年ぶりに国際長編映画賞を受賞して話題になりました。妻を失った舞台演出家の悲しみと再生の物語を描いたというこの映画の受賞理由の一つとして、パンデミック3年目という「時代」の背景があり、喪失感や孤独感を抱えた世界中の人達の心を癒したのではないかとのことでした。私はまだ観ていませんが、どこかほっとさせてくれるような甘茶にも似た優しさが漂う映画なのではないかなと思います。いずれにしましても、世界中の映画が居並ぶ中で賞を取ることは並大抵のことではないと思いますので、まさに快挙ですね。

当会の元・会員の方から、この映画に出てくるスウェーデン製の「サーブ」という車は、初めてターボチャージャーを搭載した高性能車で、映画が公開されてから中古車の在庫がゼロになったということを伺いました。映画の影響力は凄いと思いますが、更に、受賞後の観客は3倍になったそうですから、「賞を取る」ことは大きな宣伝の機能も果たすんですね。村上春樹氏の短編小説が映画化されたということですが、上映時間は約3時間と長く、見応えがありそうです。ところで、私には「映画と車」というキーワードから思い浮かぶ希少体験があるのですが、長くなりますので次回にさせていただきます。

さて、3時間を映画を観て過ごすのもいいですが、当会の「3時間で学ぶVEの基本」講座を体験されてみてはいかがでしょうか?5月17日にTeamsによるオンライン形式で開催いたしますが、「VEとは何か、どのような使い方をするのか」等の基礎知識を3時間でマスターする入門講座です。お申し込みの締め切りは5月7日 となりますが、是非、参加されて有意義な3時間をお過ごしいただければと思います。 (https://www.sjve.org/24304

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

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