こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。
今日は立春ですが、「春」という漢字を目にするだけでも、ほんわりとする気がします。旧暦では立春から新しい年が始まるので、新しいことを始めたり、新しいものを使い始めるのにいい日だそうです。立春の前の日の節分が1年の終わりにあたるそうですが、節分の伝統行事である「豆まき」をされましたでしょうか?豆まきは、季節の変わり目に起こりがちな病気や災害を鬼に見立てて追い払う儀式で、宮中で節分に行われていた「追儺(ついな)」という鬼払いの儀式が広まったものだそうですが、今、まさに必要とされる伝統行事かもしれませんね。
「魔(ま)を滅(めっ)する」から豆まきといういわれもあるように、上述のような「鬼を打ち払う」意味の方が一般的ですが、もう一つ、「豆を投げ与えて恵み、静まってもらう」という意味も込められていて、五穀には霊力があり、まいた場所は清められ聖域になる…という考えだそうです。後者の意味の方が投げる方も優しい気分になれる気がします。豆まきの歴史は古く平安時代に遡るそうですが、四季のある日本には、他にも、お正月、雛祭り、端午の節句、お彼岸、七夕、お盆、お月見等々多くの伝統行事が毎月のようにありますよね。
「四季の年中行事と習わし」という本を書かれた竹中敬明氏によれば、『日本の年中行事や習わしは、暮らしの中から生まれた生活文化であり、何百年にわたって伝承されてきた伝統文化ですが、近代における急激な社会変化や人びとの意識の変化により、現在では消滅したり、衰退したり、また、行事本来の意味を失わせてしまったりと、大きな変化をみせています。近年、各分野で古くから伝わる日本の伝統文化の良さが再認識され、伝承への取り組みが行われるようになりました。先人が長い歴史をかけて培ってきた伝統文化、日本の良き文化を次の世代に伝えていくことは、現代に生きる私たちの役割でもあると考えます』とのことです。
更に、『伝統行事は、神や仏、自然に対する畏れや祈り、感謝、また、先祖を敬い、亡き人を偲ぶ気持ち、あるいは親として子供の幸せを願う気持ち等から生まれた』そうですが、形式だけではなく根底にそういう気持ちが込められているからこそ、長きにわたって受け継がれてきたのかもしれませんね。そして、『伝統の形で実施できるものは実施し、なじまないものは現代の生活に合った形で取り入れていく、そういう柔軟な方法で伝統文化を守り、伝えていくことが私達現代人の役割』だとか。
やはり柔軟な発想が求められるVEの「それは何のためにあるのか?」という基本的な考え方と同様に、「何のためにその行事があるのか?」という伝統行事の本来の意味、それらの中に込められた先人の思いや知恵というものを知ることが大切だそうです。「伝統を受け継ぐ」ことも人間の持つ機能の一つと言えるのかもしれません。
また、竹中氏は、『私達の先祖は、一年の暮らしの中に年中行事や習わしという「特別な日」を設けることによって、単調になりがちな生活に変化をつけ、生活に楽しみや安らぎを得ることを考えました』とも述べられていますが、どこか遠くに出かけなくても、豆まきを始めとして、家で楽しむことができる伝統行事もたくさんあります。ちょうど2年前の2月に第1回の緊急事態宣言がされて以来、自由な外出ができにくくなっていますが、こういう時こそ様々な伝統行事や、そこに込められた先人達の想い等と共に次世代に伝えていくことに目を向けてみるというのは、私達にとって意義のある大切なことなのかもしれませんね。
前々回のブログでオンラインにて歌舞伎を楽しんだことを書きましたが、今度はコンサートのライブ配信も楽しむ予定です。今は様々な文化を手軽に楽しむことができる手段が豊富にあるので、幸せなことだと思います。
当会の東日本支部では、切り口が異なる6つの「部会」を編成し、実務への応用展開を目的とした研究開発と情報交流活動を積極的に進めています。今年度もコロナ禍での活動となりましたが、ピンチをチャンスに変えるべく、「ニューノーマル時代の新しい活動スタイル」の確立と「VE活動のDX化」に向けたチャレンジを続けています。この活動の報告会を3月2日にオンラインにて開催いたします。お申込みの締切りが2月24日となりますが、参加費は無料ですので、この機会にご参加いただいて、新しいVEを伝統に加えて受け継がれてみてはいかがでしょうか?(https://www.sjve.org/23474)
では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)
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