あけましておめでとうございます。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。今年もよろしくお願い申し上げます。
2022年も明けて7日目の今日は七草粥の日ですね。七草粥には、無病息災を願うだけでなく、おせち料理で疲れた胃を休め、野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養素を補うという機能もあるそうです。元々は奈良時代に、7種類の野菜を入れた汁物を食べて邪気を払うという中国の風習が伝わったもので、平安時代には、若菜を入れた汁物を宮中に献上する行事になったとか。汁物がお粥になったのは室町時代だそうですが、その後、江戸、明治、大正、昭和、平成、そして令和の今にも受け継がれてきている訳ですから、立派な伝統行事です。
お正月にまつわる伝統は他にもたくさんあり、中でも、「初夢で見ると縁起がいい」ラッキーアイテムということで、「一富士二鷹三茄子」が有名ですが、実はこれは六まで続いていて、四は「扇」、五は「煙草」、六は「座頭(商工業・芸能等の諸座の長)」だそうです。続けて読むと、「一富士二鷹三茄子四扇五煙草六座頭(いちふじにたかさんなすびしせんごたばころくざとう)」となり、これらのどれか一つでも夢で見ることができたらラッキーだとか。
そういえば、7はラッキーセブン、八は末広がりで縁起がいいなどと(たまたま今回1月7日のブログは288回でもあり八もダブルで入っています)、数字や言葉にまつわる言い伝えも一つの伝統となって受け継がれて生活になじんでいるように思います。
上のお写真は、初夢のラッキーアイテムの筆頭を飾る美しい富士山ですが、当会の元・会員でもいらした梅沢一美さんから送っていただいたものです。もし、この富士山の上を飛んでいる鳥が鷹で、手に茄子の絵入りの扇と煙草を持った座頭さんが岩の上にいるというような初夢を見られたとしたら、とんでもなく縁起のいい夢だと思われませんか?
お写真のタイトルは『暁に煌めく富士』で、2020年1月の夜明け前に三浦半島から撮られたそうですが、富士山上空が朝日に染まりかけている紫とブルーのなんとも言えない色合いは文字通り息を飲む美しさで、ただただホーッと見入ってしまいました。他にも富士山の撮影が好きな方は多く、元・会員の尾形真隆さんの富士山のお写真でVE誌の表紙を飾らせていただいたこともあります。尾形さんからは『富士、不死、不二』という写真集まで頂きましたが、見ることができたらラッキーと言われる彩雲と富士山の写真がとても美しかったです。
写真以外でも、葛飾北斎を始め、富士山を伝統的な版画や絵画の作品の題材にしてこられた芸術家もたくさんいらっしゃいますよね。日本を代表する最高峰の富士山は、多くの人を魅了してしまう神秘的な美しさをたたえているからこそ、「世界自然遺産」にも登録されたのだと思いますが、時代が移り変わっても愛されてやまない唯一無二の存在なのかもしれませんね。
上のお写真を撮られた梅沢さんは、美しさに加えて、『今この時の富士に出会えた』ということも富士山を撮ろうした要因の一つだそうです。富士山の噴火は江戸時代1707年の宝永噴火が最後で、それから300年以上沈黙しているものの、度々の地震も起こっていて、噴火がかなり現実味を帯びてきているように思うからだとか。そして、「今この時の富士山」を眺められることに感謝しつつ、シャッターを切られているそうです。『「今この時」が価値だと思います』とのことでしたが、私も本当にそう思います。時と共に刻々と変わっていく景色ゆえ、同じものには巡り合えませんし、正に一期一会の世界の一つだと思います。
名だたる芸術家達も「今」に価値を見出して、焦点を絞ってこられたのではないかと思います。そして、それが積み重なって伝統というものも形づくられていくのかもしれませんし、画材や技法等も一緒に受け継がれて伝統となって更に発展していくのかもしれませんね。
年初に、「今年はどんな美しい景色に出会えるのかなあ」と思うだけで、ワクワクしますし、それが、この世に生まれてきた意味の一つかもしれません。VEは価値向上の技法ですが、自分の人生の価値を向上させることができるのは他ならない自分自身ではないかと思います。皆様にとって、今年がより価値を向上させていける年になりますように祈念しております。
では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)
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