こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。
前々回のブログで、パイオニアさん主催の聴覚障がいの方も一緒に音楽を楽しめるという『身体で聴こう音楽会』をご紹介させていただきました。それを読まれた元・会員(CVS)の山口善民さんから『骨伝導コンサートの経験あります。一時期、「福祉の管弦楽団―まごころ」(http://www.orch-magokoro.com/)という楽団でオーボエを吹いていました。知能・視覚・その他身体的障がいを持った者などを含むオーケストラです。また、音楽を聞く側だけではなく、演奏する側も互いの音を聞いてより感性が高まるのです』というご感想をいただきました。
演奏をする側とその演奏を聞く側だけでなく、演奏する方同士が相互の音を聞いて、更に感性を高めていらっしゃると伺って、演奏されている方達が楽しそうな理由の一つが分かりました。音楽には「感性を高める」という機能もあるんですね。山口さんは、オーボエの他にもベースを始め10種類以上の楽器を操られ、来週に開催予定のジャズコンサートにも出演されるそうです。更に、ご子息がプロのロックバンドの歌手(YAMA-B)ということ等を初めて伺って驚きの連続でしたが、ご家族皆さんが音楽を通してお互いの感性を高めて楽しんでこられたからなのだと思います。
さて、音楽を始めとした様々な芸術を楽しむ「芸術の秋」ですが、「読書の秋」でもあります。表現の一つの手段として、文字、ひいては本があると思うのですが、先月の27日から11月7日までは読書週間でした。何か本を読まれましたでしょうか?今や電子書籍で読まれる方も多く、当会のVE(バリュー・エンジニアリング)誌も今年の5月から電子版のみの配信となっておりますが、個人的には本は紙で読む方が好きです。
最近では、新聞広告で見かけた本の中の一節『孤独死、けっこう。大勢に看取られても、あの世に一緒に来てくれるわけじゃなし』という言葉にひかれて『うまいこと老いる生き方』(すばる舎刊)という本を買ってみました。お二人の精神科医(92歳の中村恒子氏と54歳の奥田弘美氏)の対談形式になっているのですが、それこそお二人の感性が響き合う感じでとても面白かったです。
特に、2019年までフルタイムで勤務していらしたという中村恒子氏の豊富な経験をもとにされた含蓄のあるお話は、言葉を選んで表現されていらっしゃるように思いました。患者さんの中には、何気ない一言に大きく傷つかれてしまう方もおられると思いますので、とても神経を遣われていらしたのではないかしらと思います。病気や将来のこととか何かと不安の多い世の中を生きていくためのヒントが柔らかい関西弁の表現のまま掲載されていることも、どこかほんわりとした雰囲気があってホッとします。
同じことを表現するのでも、言葉が違うとずいぶん印象が違うものですよね。もう15年以上も前のことですので時効(?)だと思いますが、VE誌の編集委員会の懇親会でのことです。とある居酒屋さんで、日本酒を頼んだら、なぜか徳利の中にお醤油が入っていたことがあります。まさかお醤油が入っているとは思わず一口飲まれた(普通、色が違うので気づくと思いますが、そこそこにお酒が効いている頃合いでした)委員の方が思わず、ブーッと吐き出されながら、『何だこれ?酒じゃなくて醤油だ!』と一言。
それを見ていた当時の当会局長(関西出身)が、店員さんに『アホかあー、何やっとんねん!責任者を呼んでこんかあー!』と一喝。お店のミス(調理場で一升瓶に少し残ったお醤油を徳利に入れて、それを知らない店員さんが持ってきてしまったようです)ではありますが、もし、これが『バカヤロー、何をやってんだ!責任者を呼んでこい!』だったらケンカ腰になってしまうように思うのですが、関西弁ですと少し柔らかくなるように思います。
関西弁といっても一つではなく地域によって色々な表現があると思いますが、実際、飛んでこられた店長さんが平身低頭で謝っておられる中、委員の皆さんは笑っていらして、どこか和やかな雰囲気でした。漫才等もそうですが関西弁の方が同じツッコミの言葉でも柔らかくなりますし、表現の仕方一つで変わるものだと思いました。上述の山口さんも関西の方なので、その柔らかな語り口により、更に上品でソフトな印象を醸し出されていらしたように思います。
何かと緊張する場面が多い社会生活の中にあって、関西弁ではないですが、時には臨機応変に柔らかくしたり緩やかにすることも必要だと思います。新型コロナウィルスの影響でVE関連活動に該当する行事の開催数が減少していることを受け、臨時措置として2021年度のVES資格の更新要件を緩和させていただくことになりました。2022年1月末日に登録期限を迎えるVES資格登録者の方が要件緩和対象となりますので詳細はこちらをどうぞ。(https://www.sjve.org/23080)
では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)
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