こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。
『秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる』は、平安時代前期の歌人である藤原敏行の有名な歌ですが、秋の風ってどんな音だと思われますか?春の風は「ソヨソヨ」、冬の木枯らしは「ビュービュー」かしらと思うのですが、秋や夏は、風の音というより肌で感じたり、耳に聞こえてくる虫の声音を聞いたりして季節の到来を感じるような気がします。蝉が鳴き出すと『夏だなあ』、鈴虫が鳴き出すと『秋が来たなあ』と季節を実感します。
そして、季節の交替に歩みを合わせるかのように自民党の総裁選が行われ、10月4日には岸田文雄新内閣が誕生しましたね。岸田総裁は記者会見で、『国民の声を聞き、一つひとつ答えを出す。丁寧で寛容な政治で国民の一体感を取り戻したい』と語られました。ある企業のCMで『声を聞き、改善する』というコピーを見かけましたが、岸田総裁の「聞く力」で、国民の生活もよりよく改善されることを期待したいと思います。
新内閣誕生から1週間後にあたる10月11日は本来なら「スポーツの日」でした。元々は「体育の日」で、1964年の東京オリンピック開催を記念して、1966年に「スポーツに親しみ、健康な心身をつちかう日」として10月10日に制定されたとか。2000年以降は10月の第2月曜日となり、更に2020年からは「体育の日」から「スポーツの日」に変更されたそうです。今年は東京オリンピックの関係で日程も変更されて7月23日が「スポーツの日」となりましたね。
スポーツ庁では、2015年度からオリンピック・パラリンピック教育(以下、オリパラ教育)を全国事業として展開しています。オリパラ教育は大会そのものへの興味関心の向上だけでなく、オリンピック・パラリンピックを題材とした学習機会として、スポーツの価値、国際・異文化、共生社会および持続可能な社会への理解を深めると共に、規範意識を養う等、多面的な教育的価値を持っているそうです。オリパラ教育の意義については以下のような解説がされていました。
〇オリパラ教育の意義
(1)スポーツの価値
・スポーツは、精神的な充足感や楽しさ・喜びをもたらし、人々が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む基盤。
・スポーツには、自己充実・自己変革を促す力、社会や世界を変える大きな力がある。
(2)オリンピック・パラリンピックの理念と教育の意義
・オリパラ教育の推進には、オリンピックの3つの価値(卓越、友情、敬意 / 尊重 )とパラリンピックの4つの価値(勇気、強い意志、公平、インスピレーション)が必要。
・オリパラ教育は、スポーツの価値の再認識を通じ、国際的な視野を持って世界の平和に向けて活躍できる人材を育成するもの。
(3)オリパラ教育の具体的内容
・オリンピック・パラリンピックそのものについての学び(大会に関する知識、選手の体験・エピソード等)。
・オリンピック・パラリンピックを通じた学び(スポーツの価値、参加国・地域の文化等、共生社会、持続可能な社会等)。
今回の東京大会では、このオリパラ教育の一環でもある子供達の観戦についても賛否両論があり、直前に取りやめた学校も多かったようです。ただ、実際に観戦できた子供達からは、『感動した』という意見の他にも『テレビでは映らない試合前後の選手の様子を見られた』、『ボランティアの人達が活躍しているのを見ることができた』といった声が上がっていました。
画面がとらえなかった選手や関係者の方々の生の姿を実際に目で見たり、様々な声や音を直に聞いたりすることができるのも、やはりライブ観戦の良さだと思います。今回、観戦ができた子供達が、観戦がかなわなかった人達に向けて何かの手段で、何が良かったのか、何を学べたのか等、スポーツの価値について伝えていってくれていったらいいなあと思います。
子供でも大人でも、昨年からの断続的な外出自粛で運動不足となってしまった体を動かすことも必要かと思います。引き続き感染対策に気をつけながら、「スポーツの秋」を満喫するべく運動をしたり、秋の音を聞きながらお散歩を楽しまれたりしてみてはいかがでしょうか?
では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)
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