こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。
本日9月17日は「モノレール開業記念日」で、1964年10月10日の東京オリンピック開会23日前に東京モノレールが開業したそうです。それまで都心から羽田空港に向かうには車を使うしかない上に、慢性的な道路渋滞もあり、訪日客の増加が予想される中、空港アクセスを改善すべく計画されたのが、日本初の旅客用モノレール(浜松町~羽田空港)だったそうです。今大会も、インフラ整備、競技場建設、バリアフリー化等々、多くの方々が陰ながら支えてこられたと思いますが、無事に大会が開催できたのも、そういった方々のご健闘の力も大きかったと思います。
そして、パラリンピックの競技では、選手自身を支える伴走者(ガイドランナー)の方々も、高い競技力が求められる上に、その役割として、選手の安全確保と状況説明、選手が走りやすいフォームとペースへの気遣い、タイムの管理、給水ポイントでのドリンクボトルの受け渡し等があるそうですが、人一倍、相手の立場に立たないとできないことではないかと思います。
今回、陸上女子マラソン(視覚障害)で金メダルを獲得した道下美里選手(44)は、2018年に皇太子時代の天皇陛下(今大会名誉総裁)に招かれて一緒に走られたことがあるそうです。ジョギングが趣味でいらっしゃる天皇陛下は、事前にご自分で動画等を研究されて20分程伴走者として走ってくださったそうですが、常に自然体の陛下に接した道下選手は、『ありのままの自分をそのまま出せばいいのかな』とプレッシャーをあまり感じなくなったとか。
選手と伴走者を結ぶロープは「きずな」と呼ばれるそうですが、心からの信頼関係を結ぶのは大変だと思います。こういう方々のご健闘も称えるべきものと思われますが、今回のパラリンピックでは、ドラマのような場面もあったようです。
アフリカの島国カボベルデ代表のケウラニドライア・ペレイラセメド選手(32)が陸上女子200メートル(視覚障害)予選4位でゴールした後、供走者のマヌエルアントニオ・バズダベイガさん(30)がフィニッシュライン近くでひざまずき、彼女の左手の指に指輪をはめてプロポーズ。彼女は、『結婚したいと夢見ていたけど、全然予想していなかった。言葉にできない』と喜んだそうです。指輪を目で見ることはできなくても、彼女にとっては、メダル以上に価値のある嬉しいものだったでしょうし、他の選手や伴走者の方々も拍手で祝福し、会場は温かい空気に包まれたそうです。
また、東京パラリンピックのメダルは、使用済みの携帯電話等から取り出した金属で作られており、そのデザインモチーフは「扇」で、岩、花、葉、水、木の5種類の生命力あふれる自然が描かれ、応援する人々の熱量を表しているとか。更に、視覚障害の選手にも色が分るように改善され、メダルの側面に金に一つ、銀に二つ、銅に三つのくぼみがつけられたそうです。
このメダルと一緒にメダリストに贈られたビクトリーブーケの制作には障害者の方々も参加されたそうです。復興支援ということで、ブーケには東京オリンピックと同様に、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島県産の花であるリンドウやトルコ桔梗が使われたそうですが、デザインは変更されて葉の広い「ハラン」で包んで、落としても花びらが散りにくいように配慮されていたそうです。使用者優先といいますか受け取る方への気遣いが感じられるものだと思いましたし、メダルと同様に色が見えなくても、心を込めて作られたブーケの花の香りは選手達の喜びを増してくれたのではないかと思います。
東京オリンピック・パラリンピックでは、競技運営等にあたる大会ボランティアとして、延べ約7万6000人(うちパラリンピックは約2万4500人)が活動されたそうですが、このボランティアにも障害のある方が多く参加されたそうです。サポートセンターで視覚障害者のボランティアへの支援にあたった方によれば『チームで力を発揮するには、誰でも、一緒に活動する人がサポートしあうことが必要』だそうですが、VEの「チーム・デザイン」にも通じるのではないかと思います。いずれにしても、選手達を支えてくださっていたこういうボランティアの方々や指導者、ご家族を始め、開催までの準備から閉会まで携わってこられた方々等、数えきれない方々のご健闘も称えられるべきものだと思います。
冒頭で天皇陛下のお話に触れましたが、皇室と障害者スポーツの関わりも1964年の東京パラリンピックまで遡り、この大会で名誉総裁を務められた皇太子時代の上皇様の後押しで、翌年から「全国障害者スポーツ大会」が毎年開催されることになったそうです。
何事も継続が大切だと思いますが、当会でも毎年開催して参りました全国大会を「あなたと創る Sustainable Value ~SDGsの達成に貢献するVE~」というテーマで11月1日 ~ 11月21日に完全オンラインで開催いたします。10月20日までにお申し込みいただくと、「早割」が適用されますので、お早めのお申込みをお待ちしております。(https://www.sjve.org/22492)
では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)
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