新しい活動スタイルにチャレンジ
去る8月18日、東日本支部のものつくり部会(宮田徹主査)では今年度2回目、通算で6回目となるオンラインでの技術交流会を開催しました。
同部会では、モノづくりの現場に「行って」、現物を「観て」、原理・原則を「考える」ことを通じ、最適生産・最適調達のあり方を探求していますが、コロナ禍で活動方針を『オンラインを前提に新しい活動スタイルにチャレンジする』にあらため、昨年度から「何かを持っている中小企業」の取り組みからモノづくりの最新動向や本質を学ぶ「オンライン技術交流会」を定期的に開催しています。
受入企業にとっては技術アピールやマッチングの場、部会メンバーにとっては新しい技術情報に触れる機会となり、これまで接点が持てなかった地方のモノづくり企業や海外メーカーとのコラボも可能となる新しい取り組みです。
「金型レス・切削レス」と人材育成ノウハウを学ぶ
入曽精密(埼玉県入間市)、浜野製作所(東京都墨田区)、東新製作所(東京都大田区)、Piezo Sonic(東京都大田区)、アトライズヨドガワ(大阪市北区)に続く6社目に選ばれたのは、「金型レス」「切削レス」の独自技術で注目を集める 井口一世 様です。
同社は『塑性加工の常識を変える』をモットーとし、金型を使わない精密プレス技術で顧客のコストダウンニーズに応えることで知られています。また、2018年には「新・ダイバーシティ経営企業100選」の選出や「東京都女性活躍推進大賞・特別賞」の受賞など、金属加工主体の製造業でありながら女性比率が7割というユニークな企業です。
世界有数の最新設備を用いた金属加工技術だけではなく、板金部品の見積・査定ができるソフトウェア『これいくら』を自社で開発。『納期の関係で相見積を取っている時間がない』とか『今、設計している部品は安くできているのか?』『VEアイデアのコストをすぐに知りたい』という要望にも応えるなど、平均年齢33歳という若い世代が運営する「職人技×IT」の未来型企業として成長し続けています。
交流会には30名近い関係者がオンラインで参加。井口一世社長から会社概要やビジネスモデルを紹介いただいた後、「金型レス」「切削レス」の技術的特徴や従来工法とのコスト比較、同社が進める多能工化への取り組みなどについて説明があり、人材育成ノウハウや女性の活用について活発なディスカッションが行われました。
井口社長による技術プレゼン | ビデオによる生産設備の紹介 |
東日本支部ではこのような会合を定期的に開催し、メンバー相互の情報交流を積極的に進めています。皆様も東日本支部の各種活動にぜひともご参加ください。