こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。
7月23日に東京で幕を開けたオリンピックも8月8日に閉会式を迎えましたが、皆様の印象に残ったことはどんなことでしたでしょうか?
外出自粛の影響もあり、私はテレビで多くの競技を観戦することができましたが、57年前の東京オリンピックでは20競技・163種目、参加選手数が約5,100人であったのに対し、今回は33競技・339種目、参加選手数が約11,000人(日本の参加選手数は583人)ということで、種目も選手数も倍以上の規模で、どの競技を観ていいのか迷うほどでした。
今大会から加わった新しい種目も多く、聞きなれない専門用語が新鮮でもありましたが、全体を通して10代や20代前半という若い選手達の活躍が際立っていたように思いました。気力も体力も漲っている世代ともいえますが、中でもスケートボードの女子ストリートで、13歳の西矢椛選手が日本選手史上最年少の金メダル、16歳の中山楓奈選手が銅メダル、更に女子パークでは、19歳の四十住さくら選手が金メダル、12歳の開心那選手が日本最年少メダルの銀メダルと、10代の選手達が競技同様にいとも軽やかに次々とメダルを獲得されていったのには驚きました。
そして、それ以上に印象的だったのが、選手同士でその健闘を笑顔で称え合っている姿でした。スケートボードでは、試合中に選手同士で演技を褒め合い、失敗すれば慰め、健闘を称えて抱擁する光景は日常のことだそうですが、今回、優勝候補といわれながら惜しくもメダルを逃してしまった15歳の岡本碧優選手が、競技の直後にそのチャレンジ精神を称えた仲間の選手達から抱え上げられて、泣き顔から一転して笑顔になりました。その岡本選手の笑顔はもちろん、彼女を抱え上げていた選手達の笑顔にもメダルとはまた違う輝きがあふれていて、素敵な光景だなあと思いました。
抱え上げられた岡本選手は4位でしたが、『嬉しかった。憧れてもらったり、応援してもらったり、好かれる選手になりたい』と目標を語ったそうです。世界ランキング1位の経歴を持つ彼女にとっては、今回の4位という成績は残念だったかもしれませんが、仲間達だけでなく、彼女の健闘を称えたくなった方は多かったのではないでしょうか。
今回のオリンピックは、1年延期された上に大半の競技が無観客で開催されるという異例の形になり、直接の応援は難しかったと思いますが、離れてはいても、世界中の人達が岡本選手を始め、各国のアスリート達の健闘を称えて惜しみない拍手を送っていたと思います。また、無観客に関しては、『観客の声援がなくて残念だった』という選手達もいる一方で、『緊張せずに集中できた』という前向きな選手達もいたそうです。競技の種類にもよると思いますが、スケートボードでは、観客の有無に関係なく、伸び伸びと楽しそうに競技をしている感じが伝わってきて、メダルへの執着より、仲間の健闘を称える姿勢が前に出ていたような印象を受けました。
過去の大会では、『メダルが穫れなくて悔しい』、『金メダルでないのが悔しい』と泣き顔になってしまっている選手達が多かったように感じましたが、今回は、メダルを穫れた選手達はもちろん、たとえ穫れなくても『楽しかった』とインタビューに答える選手達の笑顔に、観ているこちらまで楽しい気分にさせてもらって思わず笑顔になりました。
今回の東京オリンピックで、日本は、金27、銀14、銅17と史上最多のメダルラッシュだったそうですが、メダルの数以上に、選手達から『楽しかった』という言葉を多く聞けたように思います。前述の岡本選手は、小学校6年生の時から親元を離れて技術を磨いてきたそうですが、世界各国の選手達も、私達の目には見えない所で基礎体力をつけたり改善したりと、途方もない練習に精を出して努力してきたからこそ、『楽しむこと』ができたのだと思います。
オリンピックの新しい競技では、基礎の用語を始め、ルールの基本等をもっと知っていれば、観ている側も更に楽しめたと思いますので、何事も基本は大事だと思います。
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では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)
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