心を整える(3)  (ゆ)  No.263

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

今年の夏至は6月21日でしたね。北半球では、「1年で最も昼の時間が長い日」と言われますが、夏至は二十四節気の一つで、一日だけを指す場合もあれば、夏至から次の小暑までの期間(毎年6月21日頃~7月7日頃)を指す場合もあるそうで、いずれにしても「夏に至る」と書くように、この頃から夏の盛りに向かっていくようです。

夏至は立夏と立秋のちょうど真ん中にあたりますが、こういった季節の移ろいは心身のコンディションと深い関係があるとか。暑いと夏バテになり、寒いと風邪を引きやすいといった気温がもたらす症状だけでなく、春夏秋冬の移り変わり、雨の冷たさや温かさ、吹く風の強さ・弱さ、日照時間の長短等といった自然の変化に大きな影響を受けているそうです。中でも、太陽の光は感情を豊かにするセロトニンや、ストレス、ホルモンの状態にも関係するビタミンDの生成に関わるため、日照時間の長さは、人を積極的にしたり消極的にしたり、心の健康や睡眠の質も左右するそうです。

昨年からの外出自粛や在宅勤務で、太陽の光を浴びる時間が減少している上に、体もこれから向かう暑さに向けての準備が例年に比べて不足していると思います。気温・気圧・湿度の急激な変化が自律神経を乱して、心や体が変動しても、本来なら人にはそのような外的な変化に適応する力が備わっているのに、ベースとなる栄養バランスが悪いと様々な器官が円滑に動かず、ちょっとした気候の変化で体調を崩してしまうとか。夏に起こりやすい不調として、以下のような点があるそうです。

・体に熱がこもり、気力が低下。夏バテや熱中症
・汗でミネラルが不足。紫外線等で活性酸素が発生。
・睡眠の質が落ちたり、不安感を感じたりしやすい。

対策としては、暑い時には、冷たい飲み物ではなく夏野菜を意識的に取り入れるといいそうです。

1年の折返しにあたる6月30日に各地の神社で行われる季節の行事に「夏越の祓(なごしのはらえ)」というものがあります。1月〜6月までの半年分の穢れや厄を落とし、残りの半年の無病息災を祈願するものですが、特徴的な行事として、「茅の輪くぐり(神社の境内に立てられた茅の輪をくぐって身を清める)」と「人形(ひとがた)流し(自分の身代わりを意味する人の形をした紙を川に流したり、かがり火で燃やしたりして厄を祓う)」の二つがあるそうです。

茅の輪くぐりで使われる茅(かや)は、しめ縄としても用いられますが、古くから「身についてしまった厄を払うもの」「神聖なもの」として重要な役割を果たしてきたそうです。昔から、こういった行事により少しでも不安を鎮めて心を落ち着かせてきたからこそ、今も続く伝統行事になっているのかもしれませんね。今年は、神田明神(https://www.kandamyoujin.or.jp/)のようにホームページで生配信されるという神社もあるそうですので、ご興味のある方は検索されてみてはいかがでしょうか?

また、夏越の祓の時に頂く「水無月」という和菓子があり、外郎(ういろう)の上に、邪気を祓うと言われる小豆がのせられており、氷を模したという三角形にカットした形にも厄除けの意味があるそうです。6月下旬には、この夏越しの祓のことをブログに書こうと思っていましたら、偶然にも主人が下の写真の「水無月」を始め和菓子をたくさん買ってきてくれました。

A sweet of Minazuki(June) 2021.6 photo by y★u

お菓子を頂く際にはお茶も一緒に頂くことが多いと思いますが、以前、知人から紫陽花のお茶をお土産に頂いたことがあり、その心遣いと同様に優しいお茶の香りで心がほっこりとしたことがあります。日頃、忙しくしている方こそ、ちょっとした休憩や気分転換で心を整える必要があるかもしれません。季節の変わり目となる6月30日には、「邪気を祓う」や「厄を除ける」という機能を持つ水無月と温かいお茶とを頂いて、少しでも心を軽くしつつ残りの半年を元気に過ごせるように祈ってみてはいかがでしょうか?

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

 

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