こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。
前回のブログで、脳を活性化するための一つの手段として「折り紙」をお勧めしましたが、先日、久しぶりに「鶴」を折る機会があり、うろ覚えだったものの脳の奥の方の記憶に残っているのか、折っているうちに思い出すことができました。人の名前等でも、中々出てこない時がありますが、あきらめずに思い出すまで頑張ってみることが脳のためにもいいと聞いたことがあります。
脳は次の四つに分かれていて、それぞれが以下のような機能を持っているそうです。
・前頭葉― 記憶や感情、体の動きをコントロールする (運動、言語、知能、感情)
・頭頂葉― 物の位置や形等、空間を認知する (感覚、空間認識)
・後頭葉― 視覚をつかさどり、色や形、大きさを識別する (視覚)
・側頭葉― 記憶をつかさどる (聴覚、嗅覚、言語)
折り紙は色柄が豊富で、眺めるだけで後頭葉が刺激される上に、花を折ろうと思うと、花を見た記憶を蘇らせつつ、どの色柄がふさわしいか、折り紙をめくることで前頭葉や側頭葉が刺激されるそうです。更に、折り進める作業は、頭頂葉や前頭葉を刺激するので、折り紙の一連の作業により脳全体をバランスよく活性化できるとか。
また、説明を読みながら図を見て、どう展開していくかを頭の中で追うことで、前頭葉の機能である思考力・段取り力が鍛えられ、ここを変えたらどうなるかなど、創造・想像力を働かせて作品を完成させると達成感が得られるそうです。価値を創造するVE活動を駆使して、製品を完成させた時にも同様の達成感を得たという経験をお持ちの方も多いことと思いますが、日常生活では得難い多彩な刺激を脳に与えてくれるのが折り紙だそうですので、脳の活性化のためにお勧めの手段といえます。
最近、『懐かしの昭和探し脳トレ』(公立諏訪東京理科大学・篠原菊紀教授 監修)という本を主人が入手したのですが、副題に「昭和のスターや出来事を思い出しながら脳を活性化」とありましたので、昭和の時代に思いをはせつつ、パズルやクイズ等の様々な問題を楽しみながら脳トレができて面白そうです。間違い探し等の問題を解くと、前頭葉や頭頂葉周辺が活性化することも知られているそうです。
更に、2019年に世界保健機構WHOが出した認知機能についてのガイドラインでも、「運動」、「バランスの良い食事」、「生活習慣病の予防と治療」等と共に「脳トレ」が推奨されており、日本の厚生労働省では、これらに加えて「質の良い睡眠」、「人とのコミュニケーション(社会参加)」を脳の老化予防や健康維持に必要なこととして勧めているそうです。
過去のことを思い出す時、記憶や感情を呼び起こすことに関係する脳の場所が活性化するそうですが、「自分の脳で覚えているはずだ」という意識が働き、一所懸命に思い出すために手がかりを探そうと脳が頑張るので、効果的な脳トレーニングになるそうです。
認知症にならないためにも脳を活性化したいけれども、折り紙も脳トレの問題を解くのも億劫という方には、コストもかからなくて手軽にできる、VE的にも価値の高いお勧めの手段があるのですが、これは次回にさせていただきます。
前述の脳トレの本を監修された篠原菊紀教授には、2007年の第40回VE全国大会にて、『バリュー・エンジニアのための「脳トレ」のすすめ』と題して、脳の機能や、脳を活性化する運動や食事についての講演をしていただいたことがあります。ご興味のある方は、この講演が掲載されているVE誌第245号を再読されてみてはいかがでしょうか?また、お持ちでない方は、会員でいらっしゃらなくてもバックナンバーの購入ができます。(https://www.sjve.org/2686)
歳をとっても膨大にある潜在能力細胞を活性化させれば、何歳からでも新しい脳の働きが得られるそうなので、鍛えれば鍛えるほど機能がアップするのではないかと思います。脳を鍛えて活性化するためにも、6月18日にオンラインにて開催されます当会の「企画段階のVE」セミナーに参加されて、新製品開発・次世代型商品開発に役立つ潜在的要求機能を把握する未来予測を学ばれてみてはいかがでしょうか?(https://www.sjve.org/21872)
では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)
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