文を書く(4)  (ゆ)  No.243

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

前回のブログでは、私が高校生の時、答案用紙に書かれていた先生の手書きの一言が今でも忘れられないという所まで書きましたが、教科は物理でした。大学は英米文学科に進んだのですが、高校の時は英語より数学や物理の方が成績は良かった記憶があります。膨大な量を記憶しなければいけない歴史や地理と違って、公式を覚えてしまえば、あとは応用でいいですし、一つの正解を求めるクイズのような面白さもありました。

ただ、高校2,3年生の時の先生が物理の先生で、生徒がいうのも何ですが、とても優秀な先生で後に教頭先生にもなられたのですが、授業の内容が高度過ぎてよく分かりませんでした。そこで、自分で参考書等を読んで一所懸命勉強した結果、98点が取れたのです(以前のブログで書きましたが、私の従兄弟は98点だと、「なぜ100点じゃないの!」と母親に怒られたそうですが、私には精一杯の得点でした)。その点数の横に、先生が「惜しい!」と赤字で書いてくださった一言を今でも鮮明に覚えています。マイナス2点は私のケアレスミスか何かだったのですが、たった一言でも本当に惜しいと思ってくださったのであろうお気持ちと、もう少し頑張ってねというエールまでいただいているような気がして、点数以上に嬉しかったからだと思います。

試験問題自体も難しいものではなかったかもしれませんが、どの教科でも解答を出すためには問題への読解力が必要ですから、その読解力を養うためにも数多くの文を読んだり書いたりすることは大事だと思います。私は文を書くだけでなく読むのも好きだったのですが、自分と同世代の知らない人の文章も読んでみたいと思い、当時購読していた高校生向けの学習雑誌宛てに文通相手募集の(美化した似顔絵付きの)葉書を出してみました。

小学校2年生の時に全校で手紙付きの風船を飛ばしたら、確か1クラスで数人に返事が届いたのですが、幸運にも私にも返事が届き、名前と住所と「お手紙をください」という数行の文なのに親切なお手紙を頂けた嬉しさが忘れられなかったのかもしれません。文通の時も私の葉書は採用されて似顔絵と一緒に掲載されました。風船も文通募集も個人情報がダダ洩れですから今ではNGかもしれませんが、平和でのんびりとした時代だったのだと思います。

私との文通を希望するお手紙は何と100通を超えて驚いてしまいました。とても対応しきれないので、友人を紹介したり、お詫びの手紙を書いたりと大変でしたが、全員にお返事は書きました。何人かとはその後も文通を続け、10年以上続いたのは男女二人で、実際に会ったりもしましたが、女性の方とは今も年賀状のやりとりをしていて、私の大切な友人の一人です。

数あるお手紙の中には、VE同様に相手のことを考えて切手同封のものも何通もあって好印象でしたが、中でも彼女のお手紙の字がとても綺麗だったのと、同封されていた一輪の押し花に優しいお人柄が感じられたので文通相手になってもらいました。顔が見えない時、文字が与える印象って思っている以上に影響力があるものかもしれませんから、大事な文を書く際にはできるだけ丁寧に想いを込めて書きたいものですね。

また、手芸も得意な彼女から、お手製のぬいぐるみを誕生日にプレゼントしてもらってとても嬉しかったことがあるのですが、「ぬい撮り」ってご存じですか?自然の景色の中にぬいぐるみを置いて写真を撮るのが「ぬい撮り」で、ここ数年、流行っているそうなのですが、今は旅行がままならないので、今年の干支である牛のぬいぐるみとシクラメンを部屋で撮ってみたのが下の写真です。

Cyclamen and stuffed Cow 2021.1 photo by y★u

今年は来週2月2日が節分になりますが、2日になるのは124年ぶりだそうですね。この写真の中の絵は、お花が好きだった主人の父が想いを込めて描いたものですが、「節分」というと、もう20年以上も前のことですが、主人の母が『お父さんったら「鬼は外!」と言いながら私に豆をぶっつけたのよ!!』と、涙目になりながら本気で怒っていたことを思い出します。
義父にしてみれば茶目っ気ではなかったのかしらとも思うのですが、昨年は私が涙目になってしまいました。これは長くなりますので次回にさせていただきます。

では、よい週末をお迎えくださいませ。 (ゆ)

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