本を読む(1)  (ゆ)  No.235

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

前回まで料理の話という「食欲の秋」よりの内容を書かせていただきましたが、「読書の秋」でもあります。作らなくても、描写だけでも「美味しそう!」と感じられる料理ってありますよね。

このブログ№231「料理をする(4)(https://www.sjve.org/20454)」で絵本作家の葉祥明さんの絵本のことにも触れさせていただきましたが、幼い頃、絵本に出てくるお料理やお菓子を「食べてみたい!」と思った方は少なくないと思います。例えば、「お料理することと食べること」が好きな2匹のネズミが主人公の「ぐりとぐら」という絵本に登場するカステラは今でも容易に目に浮かびます。1967年に発行されて以来、シリーズ累計発行部数が2,630万部(2018年3月時点)というこの絵本は10か国語もの言語に翻訳されたそうですが、この絵本を読んだ世界中の人達も、きっと食べてみたいと思ったのではないでしょうか?

更に今でも忘れないと言えば、子供の頃に読んだマンガで、題名もストーリーも覚えていないのに、キャンディーやチョコレートなど様々なお菓子が空から降ってくるというワンカットだけが、「いいなあー」という当時の憧憬の想いと共に鮮烈に蘇ります。文字だけの本を読むようになってからも、例えば、ただのぶどうパンなのに、その表現が秀逸でとっても美味しそうなので、どうしても食べたくなって思わず買いに走ったこともあります。

「どれだけ食いしん坊なんだ」と言われそうですが、本を好きになったきっかけはそんなことだったのかもしれません。大きくなってからは、もちろん食べ物だけでなく、登場人物の行動や心理描写等を読み解くことや想像することの楽しさを知って、未知の世界への扉も開いてくれる本を読むことがどんどん好きになっていきました。

今年は外出自粛の影響もあり、料理の他に読書の時間が多くなった方々もおられると思いますが、先月10月27日から11月9日までは読書週間で、読書を推進する行事が集中して行われる期間だそうです。 1924年に日本図書館協会が11月17日から11月23日までを「図書週間」を制定した後、戦争の影響で、1939年には一旦廃止され、終戦後の1947年、11月17日から23日までの第1回「読書週間」が行われ、「一週間では惜しい」ということで、2回目からは10月27日から11月9日までの2週間となり、現在に続いているとか。

自由に本を読める平和な時代になったものの、最近は本らしい本から遠ざかっていましたが、先日、ある方が、『自分の好きな小説家だから』と、本をくださいました。ちょうど今の時期にふさわしい錦秋の清水寺の絵が表紙になっていたその本は、主人公のアメリカ人の青年が、初めての東京を皮切りに、紅葉の京都、食い倒れの街の大阪、温泉情緒あふれる別府、丹頂鶴の舞う冬の釧路と、各地でのお料理や人との出会いを楽しみながら旅をするというストーリーでした。各地の情景が目に浮かび、地元ならではのお料理も美味しそうで、気軽に旅行に行きづらくなってしまった今、私も主人公と一緒に旅を楽しんでいるような気分になりました。

本を読む楽しさの一つに疑似体験があると思います。特に、訪れていない所なら自分の目で見てみたいという想いが強くなりますし、訪れたことのある所なら、色々な想い出を蘇らせる機能ともいうべきものがあって追体験ができます。いずれにしろ、未知の場所でも、既知の場所でも、一瞬にしてそこに行けてしまうのが読書の一つの魅力でもあると思います。

また、未知のモノやコトに対しては、期待と同時に未経験ということからくる不安もありますが、私も、学生時代に不安を感じたことの一つに就活があります。右も左も分からない初めてのことをしようとする時に、ガイドブックのような指南書等があると心強いですよね。

本ではないのですが、就職活動をされる方々にVEを活用していただきたいということで、当会のVE活用支援アドバイザーの渡邉美稔氏(なべ バリュー・クリニック)が「就活に有効なVE手法」という動画を作成されました。(https://www.youtube.com/watch?v=xRZZJBm72rA
就活中の方はもちろん、身近に就活をされている方がいらしたら、是非、勧めていただき、お役に立てていただければ幸いです。

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

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