上海VE協会活動~第17回国際人材交流大会に参加~

会 期:2019年4月14日(日)~16日(火)

場 所:中国 深セン市、珠海市、他

参加者: 中国全土および海外各国からのべ数千名(政府関係者、民間企業、団体の人材育成・開発関係者)

中国における高度人材・専門家の誘致、育成をテーマに中国各地で開催される「国際人材交流大会」が今年は・広東省深セン市で開催されました。各都市の政府系機関、民間企業、海外からの出展も多数の展示会、専門家による講演・フォーラムセッションをはじめ、近隣都市でも分科会が開催されました。主催は中国科学技術部と深セン市政府。

当会と提携関係を持つ上海VE協会が深セン市の人材育成・開発を事業とする団体・企業を誘致した開発区に進出して1年が経ちます。日本の管理技術(TPS、IE、QC、VE等)を中国の企業に導入支援し、企業の競争力強化と技術革新に貢献することを狙い、活動を展開中です。このような経緯から、今回、人材交流大会に展示ブースを出展し、管理技術の専門家を日本から招いてフォーラムセッションを担当しました。

当会の関係参加者:

日本VE協会:澤口学氏(立命館大学)、清水弘幸氏(アットマーク・コンサルティング)、赤城弘一氏・横井伯幸氏・森下武氏(三菱日立パワーシステムズ)、上杉聡子(日本VE協会)

上海VE協会:何暁磊氏、何国成氏、運営サポートスタッフ3名

大会会場入口にて

会議の全体スケジュールと主な内容:

4/14(日) ・国際人材交流大会開会式 ・展示ブース ・企業診断会 ・日照市主催セッション

開会式:主賓に英国王室アンドリュー王子(ヨーク公)、ノーベル物理学受賞・量子物理学会会長(フランス)、内閣官房次官(イタリア)。イノベーション・起業家コンテスト表彰式など

展示ブース:日本VE協会上海事務所活動紹介、MHPSプロセス解析ツールMPRO紹介、「利益を生み出す方程式」中国語版等、資料図書紹介

企業診断会:会議室に日本の専門家が待機、自由に交流相談に応じる。大会を取材中の深センテレビから、清水氏がインタビュー取材を受け、当日夕方に放送された。そのほか、ビジネス専門誌から依頼を受けて何氏が日本のVEおよび専門家紹介の記事を投稿するなど、メディア対応も行った。

山東省日照市海外人材懇談会:優秀人材を確保する様々な施策の紹介(例:博士号人材に多額の奨励金や住居補助等の待遇)、海外の専門家派遣事業を紹介するプレゼンの1つとして何氏が発表。その後、各団体と日照市間で事業提携の調印式が行われた。

4/15(月) ・日本の管理技術フォーラム ・南山区人材開発パーク見学→珠海市へ移動 ・珠海市主催晩餐会/歓迎イベント 

管理技術フォーラム:澤口氏、赤城氏、清水氏、何氏がパネリストとして登壇。VEの概要、ものづくり大国として変遷した日本の実践活動状況を紹介し、中国の組織に対して今後世界トップレベルの技術を維持するためにVE導入の有効性を訴えた。聴衆はさほど多くなかったものの、活発な質疑応答があった。

南山区人材パーク:深セン市にある3つの開発区のひとつで、主にハイテク技術・人材に関連する企業、ベンチャー企業が進出。市の行政機関、病院、学校、商業施設等あり、ひとつの街として形成している。

珠海市:当地の紹介と人材誘致を趣旨とする国際人材交流大会の分科会イベント。珠海は、深センから珠江デルタの対岸にある都市でマカオに隣接する。歓迎晩餐会は日本からの代表2名が招待。主催は珠海市長以下、共産党幹部。招待客を合わせて全部で約50名。その後歓迎イベントとして珠海オペラハウスでクラシック音楽を鑑賞。

4/16(火) ・企業訪問 ロッシーニ時計(中国ブランド)、Enpower(EV車用モーター製造)・珠海市ハイテク人材開発投資促進センター、民間企業にVE導入紹介 ・深センに移動→宝安区人材園でVE紹介セミナー

企業訪問:当地で有名な企業2社を訪問。博物館・ショールーム見学後、質疑応答・交流会。日本メンバー向けに大会主催者がアレンジした企画。交流会ではVE専門家の紹介と企業競争力強化につながるVEの有効性について意見交換した。

珠海市へのVE紹介:午前中の交流会後、会場を大会ホテルに移す。工業情報局(Industry and Information Technology)、知能製造協会(IT技術革新に向けた政府の施策と企業の発展を促進)、工業設計協会、当地の民間企業5社が参加。VE概要・事例の紹介、各都市の開発区へのVIPセンター構想の提案。会議後、珠海市ハイテク人材開発投資促進センターから上海VE協会に対し、具体的な事業提携の依頼があった。

「宝安区人材園」でVEセミナー:日本VE協会上海事務所のある開発区。深セン市人材開発・交流に関する企業団体が集まる。英語名:Talent Park。同開発区に進出する企業を対象(100名)にVE紹介セミナーを実施。深センには電子機器・部品系企業が多く集まり、その中の大手企業Huawei、ZTEからも複数名参加した。ZTE社の参加者は、セミナー後の夕食会でも引き続き交流(清水氏が対応)。

国際人材交流大会・展示棟の様子

中国国務院(内閣に相当)は、珠江デルタをとりまく「広東・香港・マカオ大湾区」の開発に関するガイドラインを発表し、大湾区を国際的な技術革新拠点とし高度製造産業や先進サービス産業を構築するのを狙いとし、香港、マカオ、広州、深センの空港を拡張・改造し、珠江デルタで大規模な石油備蓄基地の建設を加速すると述べています。優れた技術や知見を持つ海外の優秀な人材を確保するため、中国各地で同様の政策が展開されています。ものづくり大国日本における固有技術、管理技術の導入がますます加速することが予想されます。

 

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《本件担当:事務局 上杉》

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