- 世界中のビジネス界でいま注目の“アート思考法”を紹介 -
3月15日㈮に、東京都渋谷区のアイビーホール(青学会館)で「経営者フォーラム」を開催しました。
この日は多くのビジネスパーソンにとって年度末の忙しい時期でしたが、ポスト情報社会で求められているスキルの一つとして“アート”が今、世界中で注目されていることや、日本でもSociety 5.0の実現やSDGsの達成に“アート思考”のような全体を直感的に捉えることができる思考法も必要だと認識され始めてきたと言われていることもあってか、企業のトップ・役員・経営幹部や、大学教授、コンサルタントなど20名を超す方々が参加されました。
講師は、アート・アンド・ロジック株式会社代表取締役社長の増村岳史氏。増村社長の父方は人間国宝を2名も輩出されているほどの芸術一家で、増村社長ご自身は大学卒業後に入社した会社を退社後、テレビ局や出版社とのコンテンツ事業の共同開発に従事されたほか、2015年には誰もが驚くほど短期間で絵が描け、また新たな知覚と気付きも得られる講座を東京藝大出身のアーティストと立ち上げられ、現在はアート領域に加え企業でのデザインマネジメントもされていらっしゃいます。
今回のテーマは「なぜ、今ビジネスにアートが必要なのか?」。
始めに今のビジネスにアートが必要な理由として、アーティスト達は500年前のルネッサンス期から感性と論理をバランスよく駆使して普遍的な価値の創造をしており、これがまさにゼロから1を創り上げるアート思考法の基礎になっていることを説明された後、外国ではMFA(美術学修士)ホルダーが実際に企業の売上・利益に貢献していることを、ネット通販のサイトや世界の広告代理店ランキングを例に挙げて紹介されました。
次にアート思考法がどのようなものなのかについて、世界初のECアプリケーションを開発したエンジニアの著作から抜粋して説明し、ゼロから1を創り上げる創造に有用な遅い深層的な思考の例を挙げられた後、この思考がビジネスに結実した例としてソニー・王子製紙の事業展開や、スティーブ・ジョブズ氏の大学卒業スピーチ等を挙げられました。
最後に“意味の転回による新たな価値の創造”について、初代ウォークマンや、鉛筆と消しゴムの意味を例に挙げて説明された後、それまでのお話を纏めてご講演を締められました。
上記からもお分かりいただけると思いますが、増村社長のお話には企業・商品の例やランキングデータなど具体的な話も豊富でしたので、とても分かりやすかったのではないでしょうか。実際に、参加者の方々からは『感性を磨くことの重要性が理解できた』のようなご感想をいただいております。
その後、終了時刻まで講師と参加者の間で質疑応答が続き、今回の「経営者フォーラム」は終了となりました。
次回は、2019年05月20日㈪の午後にアイビーホールで“機能セル設計”をテーマに開催する予定となっております。近日中に詳細をご案内できる予定ですので、本会のホームページをまたご覧いただけますと幸いです。