感性を磨く (2)   (ゆ)  No.140

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

後10日程でクリスマス。街のあちらこちらにクリスマスツリーが飾られていますね。見上げるような大きな木もありますが、ヨガ瞑想旅行では、下の写真のニュージーランドで一番大きいといわれるカウリの木(樹齢2300年~2400年)とも出会いました。前回のブログで触れた思いがけない出来事というのは、この木のある森に行こうとした時に起こりました。

Giant Kauri 2018.11 photo by y★u

森を清浄に保つために、入口と出口に靴の消毒液とブラシが据えられていたのですが、一つの森(こちらには推定樹齢3500年!のカウリの木がありました)の出口で靴を消毒して、次の森に移動しようとしたその時、足元に違和感があったので見てみたら、なんと右足の靴の底がペラッと綺麗に剥がれてポトンと落ちてしまったんです。 それを目撃したヨガの先生やバスの運転手さんも驚いていましたが、私は「信じられないー!」と思いながらも、あまりの出来事に思わず笑ってしまいました。ただ、何世紀も生きてきた大樹からみれば、塵の一つにもならないような出来事かもしれませんが、これでは、瞑想(迷走?)どころか歩く事すらままなりません。

実は、旅行前にゆっくりと靴を買いに行っている時間がなく、以前に買ったもののまったく履いていなかった皮のスニーカーがあったので、それを履いて行ったのです。一応、名のあるメーカーのものだったのですが経年劣化していたようです。パスポートやエアチケットにばかりに気を取られて、周到な準備を怠った私の脇の甘さを反省したものの、代りの靴をすぐに買いに行けるような環境ではありません。

さて、何か問題が起きた時、「では、どうやって解決するか?」を落ち着いて考えるのがVEr.だと思うのですが、とりあえず靴の応急処置をすべく真っ先に頭に浮かんだのは、「接着材を使う」でした。が、宿に帰って聞いても、ないとの事。ガムテープならあるとの事でしたが、見てくれもよくなく、すべる上にすぐに取れそうです。部屋に戻り、持っていた裁縫道具で縫おうとしてはみたものの、もちろん普通の針と糸では無理でした。ゴムの靴底は取れたけれど厚紙1枚の底は残っているので、「すごく濡れなければなんとか大丈夫かな?」と靴を前に考えあぐねていた私に救いの手を差し伸べてくれたのは、今回の旅行で初めてお会いした同室の女性でした。

実は、私と違って用意周到な彼女(帰国の前々日に交換した名刺で分りましたが、ある会社の会長さんでした)は、スニーカーの他に代えの靴を持参されて交互に履いていらしたのですが、それを帰る日まで貸してくださるというのです。しかも、奇跡的にもサイズが私と同じで(ちなみに彼女とは誕生月も同じでした)ぴったりだったので、彼女には申し訳なかったのですが、お言葉に甘えて貸していただく事にしました。

帰りの日、彼女に空港で靴をお返ししたら、今度は事情を知った別のメンバーの方が、『カヤック瞑想の時のビーチサンダルがあるから、万が一、靴がダメになった時に履いて』とそのサンダルをくださいました。大自然の中で心が磨かれたせいか、本当に人の親切がいつも以上に身にしみて、皆さんが天使のように思えました。いいツアーメンバーに恵まれて幸せな旅行でした。

今、ここで書いていて気づいたのですが、もしかしたら、靴底は私自身が怪我等をしないように身代りになってくれたのかもしれませんし(そういえば『厄を落としてきたと思えばいい』と言ってくださった方もおられました)、この事がなければ、上述したような人の親切に触れられる機会もなかったかもしれません。「これも一つのメッセージだったのではないかしら?」というふうに気づけたのも、大自然の中で感性が磨かれたせいかもしれません。

一方で、人より羊の方が多いといわれるニュージーランドにいたせいか、帰ってきてからしばらく、都会のラッシュアワー時等の人混みに以前より疲弊するようになってしまった気がします。プラスだけでなく、マイナスのエネルギーにも敏感になってしまったようで、どこかギスギスとした気が蔓延している都会に比べて、緑の溢れるニュージーランドは天国みたいだったなあ(実際に世界で住みたい国の上位にランキングされているそうです)と思い出していたのですが、実は、若い人の自殺率がとても高いそうです。なぜだと思われますか?これは次回にさせていただきます。

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

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