こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。
新蕎麦の季節ですね。昨日、友人達と美味しいお蕎麦を頂き、家に帰ったらコシヒカリの新米が届いていました。秋は本当に美味しいものが多いですが、自然の恵みと人の手で創造された芸術作品と言えるかもしれません。感謝しながら頂きたいと思います。
さて、前回のブログで、芸術作品とその価値のお話をしましたが、世界に一つだけしかないような希少価値がある作品の場合、とても高額になるものもありますよね。更に、芸術作品と、そうではないものの線引きが難しいものもある気がします。以前、私が担当するVE誌の取材で、航空機を製造する会社内の資料館に伺ってジェットエンジンを拝見した事があります。数多くの部品が緻密に整然と組み込まれていましたが、機能美というのはこういうものかと感心すると同時に、磨きこまれたそのエンジンはなんともいえない様々な色に輝いていて、「これはエンジンというより芸術作品ではないかしら?」と感動した事があります。
芸術とは、『文芸・絵画・彫刻・音楽・演劇など、独得の表現様式によって美を創作・表現する活動。また、その作品』との事ですが、人間はこれまでに、様々なジャンルの夥しい数の芸術作品を生み出してきた訳です。筆等の道具を使って生み出された芸術もあれば、その身一つで表現される芸術もあります。更に、人間と動物の大きな違いは、これらの芸術を持ち、そこに価値というものを置いている所だそうです。人間が創造した芸術を鑑賞して、そこに感動できる大きな価値を見出すのもまた人間です。
ただ単に絵等を描いただけではそれは芸術とはいえず、そこに誰かを感動させるものがないとだめだそうですが、「たとえ一人でも感動した人がいたら、その人にとっては芸術作品と言えるのではないかしら?」と思ったりもします。そんな事を頭において、この過ごしやすい季節に様々な芸術を鑑賞してみるのもまた一興かもしれません。
そういえば、先日、覆面ストリートアーティスト、バンクシーの絵がオークションで約1億5千万円で落札された後、絵が自動的に額縁からすり抜けて下側に動き始め、シュレッダーで細かく裁断されたというニュースが報道され、鑑賞どころか驚愕した方も多かったと思います。これは予めバンクシーが仕込んだものであり、更にピカソの言葉を引用して『破壊衝動は創造衝動でもある』というメッセージも動画と共にインスタグラムに載せたそうです。破壊と創造、つまりブラスト&クリエイトという面はどこかVEにも通じているといえるかもしれませんね。
ただ、下手をすれば1億5千万円がふいになる可能性もあるのに、芸術家というのは損得勘定を越えて(コストを度外視して)奇想天外なアイデアを発想するものだと(だからこそ芸術家なのでしょうが)驚きましたが、芸術作品に対する「価値」の考え方に一石を投じた事は間違いないと思います。「絵」だけをみれば、半分紙切れになってしまったようなものですが、『裁断後の動画までを作品とみなすべきではないか?』、『これで更に価値も上がるのではないか?』等と物議をかもしたものの、この一連の事に感動できた人にとっては正に「芸術」なのかもしれません。
バンクシーの例は前例のないものですが、色々な芸術作品の背景には、実に様々な価値観が存在するので、時には共鳴したり、またある時にはぶつかったりするからこそ面白いのかもしれません。もしも、全員が一つの同じ価値観だったら、つまらないというか恐ろしいような気もしますし、違う価値観があるからこそ、新しいモノが創造されていくのだとも思います。
人を感動させるという意味では、VEも芸術だといえるかもしれませんね。更に、人を驚愕させたり喜ばせたりするような作品を日々創り出している、モノづくりに携わる人も創造主であると同時に芸術家ともいえるのではないでしょうか? そして、芸術作品のような製品を世に出すには、そういう人材の育成も大切です。
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では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)
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