芸術を鑑賞する (2)   (ゆ)  No.131

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

先日、日本を縦断した台風24号は凄かったですね。首都圏の主な鉄道が計画運休を実施してしまうような事態となり、自宅マンションから少し離れた場所ですが避難勧告の放送も初めて聞きました。台風が去った後、マンションの庭の結構大きな木が暴風で倒されていて驚きました。もっと大きな被害を受けた地域も多い事と思いますが、今週末に台風25号もやってくるようですし、次の災害に備えるためにも一日も早く復旧が進む事を願っております。

前回のブログで、私がよく美術館に行くというお話をしましたが、絵の他にガラスの工芸作品を観るのも好きなので、去年は、富山出身の会員の方のお勧めもあり、富山市ガラス美術館にも行ってみました。美術館は写真撮影禁止の事が多いですが、ここでは撮影可能なものもいくつかあって、下の写真はその一つです。天井に飾られた色とりどりのガラスアートなのですが、海の生物や天使などがモチーフになっているそうで、見上げると万華鏡のように美しかったです。

Perushan ceiling 2017.6 photo by y★u

他に諏訪や箱根のガラス美術館にも行った事がありますが、ガレやラリックの作品を観ていると、その素晴らしさはもちろん、繊細で割れやすいガラスが100年以上も割れずに存在する事にも驚きを禁じえませんでした。作品を愛する人達にそーっと大切にされてきたであろう背景も考えると、それだけで愛おしいような気持ちになります。

ガラスはその透明感や光り方、色とりどりの鮮やかさ等に目を奪われますが、一方でシンプルとも言える「書」の世界もまた心落ち着くものがあります。知人や親族の書道展に行った事が何回かありますが、白い紙に黒い文字だけというのはごまかしもききませんし奥が深い気がします。和の落ち着いた額装等がモノトーンの世界を引き立てていて、日本人の美意識の高さを感じさせてくれます。

モノトーンといえば、エッチングなどの版画でも見かけます。昔、神奈川県立近代美術館に行った時、「マックス・クリンガー展」が開催されていました。その時に初めて知ったドイツの19世紀後半の画家なのですが、昨年、生誕160年を迎えたという彼の作品で、今でも忘れない『手袋』という連作と出会いました。

その連作では、スケート場で女性が落とした片方の手袋を一人の男性が拾う事から始まる物語が10枚の絵に描かれています。彼は女性が落とした手袋を拾って持ち帰り、海辺の祭壇に飾ります。その祭壇には海からの波が打ち寄せているのですが、その波と一緒に無数のバラの花が捧げられていました。ここで、私には不思議なものが見えたのですが、それが何だったかは次回にさせていただきます。

この『手袋』は、クリンガーが21歳の頃の自叙伝らしいのですが、『一つの発想がまた別の発想を呼び、次から次へと連なって行くという近代的な連作制作の在り方自体が、極めて豊かな想像力に恵まれていた彼にふさわしかったのであろう』と論評されていました。 まるでブレインストーミングみたいですね。仕事をしていく上で、彼のようにどんどんアイデアが出てきたらいいなと思われませんか?

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では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

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