年を重ねる (2)   (ゆ)  No.102

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

明日は雛祭りですね。私は2月か3月頃、早咲きの桜を見るためによく伊豆に行くのですが、稲取では「つるし雛が」有名で、江戸時代後期の頃が発端となるというその歴史はゆうに百年以上を超えるものとか。子や孫の成長を願うやさしい暖かい心を込めた稲取独自の風習で、女の子の健やかな成長を願って手作りされ、意味や決まり事を守りながら、この町独自の和裁細工として現在まで受け継がれてきたそうです。

一針一針心を込めて縫われたつるし雛の一つひとつは小さくて可愛らしいものですが、一堂に集まると豪華で圧巻です。下の写真は稲取の「雛の館」で撮ったものです。つるし雛にはそれぞれの意味があるそうで、真ん中にたくさんつるされている「桃」は、女性の象徴で、女の子の厄払い、多産と薬用効果、延命長寿を願うそうですが、そんな親心を模るかのようなハート型にも見えますね。

Hanging Hina 2012.2 photo by y★u

母方の祖父母が初孫である私への思いを込めて誂えてくれたお雛様も、ちょうど上の写真のような七段飾りでした。赤ちゃんから女の子、そして大人の女性へと年を重ねて成長する様は、蛹から蝶になるなどと表現されたりしますが、お年頃の女性達は本当に華やかですよね。私の従姉妹が結婚した際、母親である伯母が『洗濯物から明るい色が消えてしまって寂しくなった』と話していた事がありますが、風景同様に心の方も寂しくなってしまったんだろうなあと思ったのを覚えています。

母方の祖父は50代で他界してしまったので、無事に成人式を迎えた私の振袖姿や花嫁姿を見せられませんでしたが、お雛様を見る度に、子供の頃、とても可愛がってくれた祖父の優しい笑顔を思い出します。

前回のブログの編集委員会の懇親会のお店で知り合った88歳のご婦人も、ご両親達が願われたであろう延命長寿を実現されて米寿を迎えられたと思いますが、彼女が親しげに『純ちゃん』と呼んでいた人とは誰なのかというお話の続きです。ちなみに、このご婦人のお目当てだったと思われる元・編集委員の女性にも同じ質問をさせていただいた所、『高田純次さんしか思い浮かばない』との事でしたが、なんと、この『純ちゃん』は、元・首相の小泉純一郎氏の事でした。

古くからのお知り合いだそうで親しくされていらしたようですが、一国の首相だった方を「ちゃん」づけで呼べるだけでなく、他にも歴史上の人物のお迎え役を任されたり、戦争中に渡された5000人分の自決用の青酸カリを勝手に捨ててしまわれたり(おそらく彼女の独断だと思われますが、肝の座られ方が半端ないと思いました)、男装して戦地から戻られたり、と劇的な人生を送ってこられたすごい方のようでした。ただ安穏と88年という年を重ねただけでは纏えないような風格のあるご婦人でした。

このご婦人を中心としたグループの方々は、一つの事をみんなで話すというよりは、同時に2、3の話題が横や斜めに飛び交っていて、それはもう賑やかでした(私の実家がそんな感じでしたので懐かしく感じました)。とても楽しかったので、その後も数回、参加させていただきましたが、母が入院したために病院通いが始まり、残念ながら足が遠のいてしまいました。

ここにはとても書けないようなお話もたくさん伺う事ができましたが、それぞれの方が年を重ねる中で実践されてこられた体験談だからこその重みと説得力がありました。今まで出会った方々から与えていただいた刺激とはまた一味違った刺激を与えていただけたように思いますし、勉強になりました。

刺激といいますか、中でも一番驚いたのは、そのグループの中に60代の綺麗な女性がいらしたのですが、その方と仕事の事等を話しているうちに衝撃の事実が判明した事です。これも長くなりますので次回にさせていただきますが、世の中は広いようで狭いものだと実感した出来事でした。

当会では、VELフォローアップ研修として、「明日から実践できる!新規事業創造VE」を、3月16日(金)に当会にて開催いたします。締切りは3月9日となりますので、実践活動のお役に立てていただければと思います。皆様のご参加をお待ちしております。(https://www.sjve.org/12996

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

 

 

 

過去のブログはこちら

関連するページ