自治体と企業がコラボでSDGsに取組み地方創生
2017年12月8日・9日に渋谷で催された「まちてん(地方創生町づくりフォーラム)」に行ってきました。笹谷実行委員長(伊藤園 常務執行役員)からお誘いのメールを頂戴しましたので、それではと参加してみました。
トークセッションでは、各地の自治体の首長さんたちが登壇され、皆さんがSDGsを通じたまちづくり、地方創生に非常に熱心に取り組んでおられることがわかりました。
笹谷実行委員長によれば、地方創生では、「地方の稼ぐ力」、「ライフスタイルの変革」、「革新につなぐ学び」が重要項目であり、企業も(単なるCSRではなく)本業力を発揮してウィン・ウィン関係の構築を図り貢献することが期待されるとのことです。
笹谷実行委員長のお会社、伊藤園さんでも高知県と「地方創生の推進に向けた連携と協力に関する協定」を結ばれたそうです。SDGsを踏まえつつ相互に連携を図り、双方の保有する資源を有効に活用することにより、高知県において地方創生を推進することが目的だそうです。
近年、このように自治体と企業が課題解決を目指して取組む「包括連携協定」の動きが広がっているそうです。どのような課題解決に着眼し取組むかによって、ものづくり企業にとっても大きなビジネスチャンスになるのではないでしょうか?
ビジネスチャンスとして一歩を踏み出す
これまで見てきましたように、SDGsへの取組は世界的に同時進行しており、日本においても政府、自治体、企業、団体で取組が始まっています。しかし、欧米では既にSDGsを大きなビジネスチャンスと捉え、企業も投資も動いているのに対して、日本企業は未だに17のゴールと事業の紐付けを行っている段階だと指摘されています(季刊「環境ビジネス」 2018年1月号)。
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)の有馬代表理事は、「紐付けも重要ですが、そこから一歩を踏み出し、ビジネスチャンスとして投資を伴った動きをしていくべき時期です。でなければ、日本は周回遅れになってしまいます」と警鐘を鳴らしておられます(上掲誌)。
企業市民協議会(CBCC)の企画部会長を務める関氏も「SDGsはある意味、非常に有用なヒントを与えてくれるドキュメントです。先進国も途上国も集まって合意した目標一覧と自社の事業との関係を見直すことでマテリアリティが浮かび上がってきます。そういったアプローチをしていくことが、12兆ドルという大きな新しい市場を生み出すことに繋がっていくでしょう」と述べておられます(上掲誌)。
Sustainable Value Designへ
VEの定義を変更するということではありませんが、その目的を「限られた資源を有効に活用しながら持続可能な価値を生み出す活動(Sustainable Value Design)」と捉えれば、SDGsとの親和性は非常に高いと思います。そこに大きなビジネスチャンスが広がっているとすれば、単なる慈善活動ではありません。こうした領域にもぜひVEの考え方を積極的に広めていきたいと考えます。
「論語と算盤」から始めて、紆余曲折しながらSDGsの話へと繋げてきましたが、年末を迎え、このへんで筆を置こうと思います。拙い書き物になりましたが、少しでもご関心をお持ちいただければ幸甚です。説明不足の部分は、下記の書籍等もご参考にしていただきたいと存じます。
2018年が皆様にとってよい年となりますよう祈念しております。
お読みいただき有り難うございました。
(2017.12.22 事務局・宮本)